【最新号紹介】治療9月号 とことん極める! 腎盂腎炎
「治療」編集部のカーターです。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
まだまだ暑い日が続いて、私はアイスばかり食べています。
近年、夏になると巷にチョコミント商品があふれかえっていたように思うのですが、今年はなぜかスーパーでもコンビニでもほとんどみかけなくなってしまっています。私の近所だけでしょうか?
甘党のわりに甘すぎるときつい自分はバニラアイスにインスタントコーヒーをかけたりシナモンをかけたりして味変させ、チョコミントの飢えをしのいでいます。
「治療」の9月号もそんなふうにありふれた日常を振り返り、一工夫を入れて考え直そうという企画となっております。(むりやり!)
腎盂腎炎というと、救急外来や入院診療、そして在宅医療などにあたる先生にとっては非常にコモンで、発熱の鑑別に入れないことはないでしょう.
「おっ!尿が汚くなってるな...これは腎盂腎炎!」と思っていたら、
じつは別の疾患で痛い目にあったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
腎盂腎炎の診断、治療、マネジメントは発熱診療の基本でありながら、大変奥深く一朝一夕には身につけられるものではありません。本特集ではそんな腎盂腎炎の気になるポイントをすくい上げて細かく解説してみました。
特集の目次
■総 論
たかが腎盂腎炎……されど腎盂腎炎!
長野広之
■腎盂腎炎の診断編
問診と診察を極める ─ CVA 叩打痛って役に立ちますか? ─
豊岡達志,近藤敬太
尿検査・グラム染色を極める ─尿で診断にどこまで迫れますか?─
小野雅敬,官澤洋平
単純性と複雑性腎盂腎炎の見分け方を極める
加藤心良,小笠原雅彦
閉塞性腎盂腎炎の診断方法を極める ─ エコーで十分ですか? ─
加藤心良,小笠原雅彦
前立腺炎の診断を極める ─ 高齢男性って難しくないですか? ─
古谷賢人,伊東直哉
腎盂腎炎の診断におけるCT 所見を極める─ 腎周辺がもやもやしてたら腎盂腎炎ですか? ─
宮松弥生,谷崎隆太郎
■腎盂腎炎の治療,マネジメント編
単純性腎盂腎炎における抗菌薬の選択と治療期間,治療方法を極める
藤村周平,近藤敬太
複雑性腎盂腎炎における抗菌薬の選択と治療期間,治療方法を極める
西澤俊紀,小笠原雅彦
前立腺炎合併時の治療選択と治療期間を極める
枝川峻二,倉井華子
腎膿瘍合併時の治療期間,ドレナージの適応について極める
野本英俊,忽那賢志
治療効果判定・経過観察について極める─ 経過がよくないときの鑑別まで─
佐藤直行
■腎盂腎炎の再発予防編
再発予防のためのバルーンの交換頻度─ そもそも定期交換は必要ですか? ─
大塚勇輝,萩谷英大
若い女性への再発予防の指導方法について─ 実際どう指導していますか? ─
長 陽二郎,官澤洋平
尿路感染を起こしやすいリスクファクターへの介入
長 陽二郎,官澤洋平
クランベリーって意味あるの?─ 再発予防に使える薬剤,その他について─
大塚勇輝,萩谷英大
■腎盂腎炎のtips 編
尿グラム染色でグラム陽性球菌がみえたとき何を考える?
宮本雄気
閉塞+ウレアーゼ産生菌による腎盂腎炎は,意識障害を起こす?
宮本雄気
尿臭,尿色は尿路感染に関連するのか?
河野 圭
尿培養から真菌が発育したら?
野本英俊,忽那賢志
嚢胞内感染,どう診断・治療する?
井村春樹
気腫性膀胱炎/ 気腫性腎盂腎炎について
宮里悠佑
尿路感染症の治療に“尿道バルーンカテーテル留置/ 交換”は必要か?
藤田浩二
無症候性細菌尿と尿路感染症の区別
進藤達哉
類書の少ないテーマ! だからこそ極め甲斐がある
こんなにもありふれた疾患であるにもかかわらず、じつはこれまで医学書でもそこまで取り扱われてきてはいないようです。今回のようにメインテーマとして挙げられるのはかなりレアといえます。
もしかするとあまりに日常的な疾患で、いつもの診療からはもう深める余地がない、そんなふうに思っている方もいるかもしれませんが、目次をみていただけると「そういえばこれってどうなってるんだ?」とむず痒くなってきませんでしょうか?
ありふれているからこそ極め甲斐がある。最近ムーブメントを起こしている誤嚥性肺炎診療に通ずるものがありますね...。
(寿司本や主治医力も改めてCheckしましょう)
じつは「治療」の特集を組む参考に、いろんな病院の総合診療科の診療実績を見比べていたのですが、誤嚥性肺炎に次ぐ頻度だったのが腎盂腎炎(尿路感染症)でした。誤嚥性肺炎同様、ジェネラリストの腕前を計る疾患といえるかもしれませんね。
さくさく読めて、ポイント目白押し!
今回、2ページなどでさくっと読める項目も多く、いつもより項目数を多く用意しております。それだけ取り上げられたポイントも多くなっております。
尿からわかることってなに?
エコーやCTの診かたは?
単純性と複雑性の治療の違いは?
治療の効果判定ってどうする?
バルーンってどれくらいで代えるべき?
クランベリーが効くって本当?
などなど、皆さまが日常で感じそうなモヤモヤを解決するポイントが目白押しとなっております。この機会にぜひ手に取ってみてくださいね!
「治療」2021年9月号
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南山堂
文責:「治療」編集部 カーター
前号の紹介記事はこちら
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