【最新号紹介】治療(CHIRYO)9月号 とことん深めるライフストーリー 職業編
いきなりですが、問題です。
あなたは病院のカンファレンスで症例報告をすることになりました。
患者は、犬の散歩の後に胸痛をきたして入院しています。
さて、プレゼンにあたってあなたは何を確認する必要があるでしょうか?
これまでの病歴、検査の結果、今飲んでいる薬はなにか、いろいろ考えられるかと思います。
さて、一通りプレゼンした後に指導医から次の質問がきます。
「犬の名前はなんですか?」
これにあなたは答えられそうでしょうか?
今月の特集は患者のコンテキストを想像してみよう、というテーマで、
職業を中心に、患者の普段の生活を深掘りするという、
かかりつけ医ならではのポイントをまとめております。
冒頭の問いは、編集の大浦 誠先生ご執筆の巻頭言で紹介されている「The Name of the Dog」 という論文からのものです。
特集の目次
そのお仕事、どんなお仕事?
職業とひとくちに言っても、内容は様々です。
「警察官です」といわれてデスクワークの割合や身体的・精神的な負担をぱっとイメージできるでしょうか?
「農業」といわれて繁忙期が何月で、どんな環境で作業をしているかイメージできますか?
わからなければ患者さんに聞いてみるしかありません。患者さんに興味を持つ、それが良い医療へ踏み出す一歩になります。
はじめの章では、総論にて、そもそも職業まで聞く意味ってあるの?という点や、答えたくない場合もあるよね、という点も踏まえて聞き出すコツをまとめています。また職業をキーワードに、ありがちな疾患を紹介したり、精神科医・産業医目線での患者の職業への考察・注意点を書いていただきました。
職業には地域性もあります。
地方ほど、1次・2次産業の方は多くなるでしょうし、都市部ほどデスクワークやサービス業が増え、精神疾患も多くなるなど特色が出てきます。ご自身の働く地域の特性も改めて考えてみると良いかもしれません。
この症状にピンときたら…
特集の後半では、各先生が症状を診て「もしかして職業は○○ですか?」と探偵のように当ててしまったなど、職業と疾患についてのいろんな症例を紹介していただきました。
それぞれの地域特性や、各先生の診察の姿勢などが垣間見えて楽しく読めるパートとなっております。
また、皮膚科や歯科、スポーツ医、耳鼻咽喉科の先生から各科ならではの視点も紹介いただいております。
仕事や生活習慣をきっかけに特定の部位だけ症状が出ることもあり、ジェネラリストとしては是非すくい取りたい所見になるかと思います。
スーパードクターは患者の生活史を診療にどう活かしている?
特集の最後には、豪華メンバーによる座談会を収録しました。
ベテランの先生方の診療の奥深さが随所に感じられる圧巻の内容となっております!
生活における仕事の意味、contextual careとは、究極の個別化医療などなどここでしか読めない貴重なトークをぜひご覧ください。
ちなみに今回の装丁の右下にあるイラストは、座談会でお話しいただいた例をもとに作っております。おじいさんは昔は何をしていたのでしょうか?
これまでにない切り口の特集となっておりますので、ぜひ手に取ってみてください。
「治療(CHIRYO)」2023年9月号
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南山堂
文責:南山堂「治療」編集部 カーター