VTuberの何が面白いのか:物語の時間軸
・はじめに
お久しぶりです。はじめましての方ははじめまして。ちるだです。
学生という自由な身分の最後の日ということもあり、最近思うことを書きました。
別に社会人になかったからといってTwitterができなくなるわけでもブログを書けなくなるわけでもないですが、気持ちの問題ということで。
また、この記事はあくまで僕個人の主観に基づいたものであり、ただのオタクとしての話であることをご理解ください。
・VTuberとは?
VTuberとはなんぞや?という方もいるかもしれないので、今一度簡単に説明します。
VTuber=バーチャルYouTuberとは、簡潔に言ってしまえばキャラクター版YouTuberです。配信や動画投稿をするキャラクターです。
VTuberと呼ばれる存在が1万人を超えたという話もあり(https://www.moguravr.com/vtuber-10000/)、その活動範囲はYouTubeに限らず、SHOWROOM、REALITY、ツイキャス、ニコニコなど多岐に渡ります。
昨年から今年にかけては、ライブ・トーク問わず様々なVTuberのリアルイベントもかなり増えてきました。VTuberのリアルイベントってどういうこと?と思う方は是非この辺を見てみてください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000214.000030268.html
・VTuberの何が面白いのか
「かわいい」「話が面白い」「ゲームが上手い」「歌が上手い」「ホラゲ配信の悲鳴がプロ」etc.
VTuberが好きな方たちに推しの好きなところを聞けば、千差万別の答えが返ってくると思います。
1万人を超えるVTuberの特徴は本当に十人十色、万人万色といった感じで様々ですが、ここでは個人的に"VTuberという存在”の何が面白いかを書いていきます。
僕が思う"VTuberという存在"の面白い点として、(もちろん沢山ありますが)特に以下の2点を挙げます。
・意思を持ったキャラクターとのインタラクティブなコミュニケーション
・時間軸が等しいキャラクターの物語
前者については以前VTuberとは関係ないサークルの会誌に8000字くらい書いたので、機会があったら読んでみてください。
(https://twitter.com/ut_koedo/status/1076798678600306689?s=21)
この記事では後者の話をします。
・人を感動させるのは「文脈」
時間軸の話をする前に、一つ僕がずっと前から考えていた話をします。
僕は、人が感動する最大の要因を「文脈」だと思っています。言い換えれば「物語」ですね。
たとえばあるアニソンがあったとします。同じ曲でも、そのアニメの文脈を知っている人と知らない人では受け取り方や考えることが違うでしょう。わかりやすい例を挙げるとアイカツ!とかアイカツスターズ!とかですね。
他にもたとえば、推しの地下アイドルが武道館でライブしたら嬉しすぎて死ぬオタクもいるかもしれません。でもその推しが地下アイドルではなく初手から武道館のステージに立っていたら多分オタクは死にませんよね。
他にはたとえばエロゲなどでは、そういう行為よりもそういう行為に至る経緯が大事じゃないですか。エロゲほとんどやったことないのでよく分かりませんが。
とにかく、人の心を動かす要因は「文脈」が一番大きいと考えています。
ゲームやアニメの物語も「文脈」ですが、人間の人生だってまた「文脈」です。あるときは自分の持つ「文脈」と他者の持つ「文脈」が重なったときに、あるときは自分のものとは全く違う他者の「文脈」に触れる「非日常」を体験した時に、人は感動するのではないでしょうか。
そして僕たちは、素晴らしくもあり理不尽でもある『人生』というクソゲー/クソアニメの物語を、主人公として日々紡いでいるわけです。
・時間軸の等価性
アニメやゲームの世界って基本的に現実より遥かに速いスピードで時間が進むじゃないですか。
SAO WoU 11話でアンダーワールドと現実の時間速度の話が出てきますし、今期放送されていたインフィニット・デンドログラムではゲーム内の時間速度が現実の3倍だったのは記憶に新しいと思います。そういう話です。
実際のゲームでも現実で日が暮れる時間になるとゲーム内でも日が暮れるとかはしばしばあると思いますが、そういう話はちょっと置いておきます。
従来、僕たちがキャラクターの物語に触れるとき、僕たちの時間軸とキャラクターたちの時間軸は全くの別物でした。
そんな中で、VTuberという存在は新鮮なものでした。
VTuberは言ってしまえばキャラクターですが、そのキャラクターが生身の人間と同じ時間軸で生きているのです。
同じ時間軸を生きているから、YouTubeが重くなったらお互いそのことで困るし、AIがよくわからないBANを繰り返してきたらキレるし、地震が起きたらみんなTwitterに集合するのです。
これってすごいことじゃないですか?アニメを見ているときに画面上部にニュース速報が表示されるんじゃなくて、配信を見ていたらキャラクターが「地震だ!」って言うんですよ。
そうやって生きているVTuberたちは、僕たちと同じ時間軸で『人生(V生?)』という物語を紡いでいます。
そしてVTuberとともに、リスナーたちも同じ物語を紡いでいます。チャンネル登録者数何万人達成とか、3D化とか、リアルイベントとか、VRライブとか、オリジナル楽曲とか、自分が追ってないVTuberのものより、自分が追っているVTuberのものの方がずっと嬉しいし感動するじゃないですか。それはそこまでの時間を一緒に歩んできて、同じ「文脈」を持っているからこそだと思います。(この話はリアルのアーティストやアイドルでも同じことが言えると思います。)
僕も昨年、「夢はいつか大きな舞台でみんなに歌を聴いてもらうこと」と言っていたVの推しが2000人の前に立ってライブをする姿を見て、人の形を保てないほどに泣きました。人の形を保てなくなって今は亡霊になっています。
とにかくここで言いたいのは、VTuberはキャラクターであるが、僕たちと同じ時間軸を生き、一緒に物語を紡いでいるということです。
・新型コロナウイルスとイベントの話
今一番書きたかったのはこの話です。ここから先は、VTuberに限らず現実のアーティストやアイドルの話でもあります。
皆さんも知っている通り、現在日本だけでなく世界中で新型コロナウイルスが猛威を奮っています。
相次ぐイベント中止の中で、リアルイベントが増えつつあるVTuber業界も例に漏れず影響を受けています。
リアルイベントの中止だけでなく、配信ライブなどを行うにも、感染リスクのことを考えると演者やスタッフが集まることすら難しい状況です。
新型コロナウイルスは、1人の人間が解決できる問題でも、1つの会社が解決できる問題でもありません。国レベル、世界レベルでも難しい問題です。
そのような中で、僕たちファンが今考えられることは、「この状況をどう受け入れるか」「この先にどう繋げるか」だと個人的に思っています。
世界がこんな状況でも、アニメの世界ではその世界の日常が続いています。
しかし、VTuberと僕たちの関係は、前述の通りアニメキャラクターと僕たちの関係とは違います。
バーチャルと現実という物理的な壁があっても、同じ時間を過ごし、同じ物語の中で、同じ困難にぶつかっています。それはバーチャルではなく紛れもない現実です。
僕はそんな中で、新型コロナウイルスの登場はこの物語を途切れさせるものではなく、物語の一部であると思っています。アニメでいう10,11話あたりです。起承転結の転の部分です。
一番言いたいのは、新型コロナウイルスも物語の中の一つの出来事として捉えて、それを乗り越えたという「文脈」の先が泣きアニメになるんじゃないか、ということです。
だから今はとにかく1日でも早く終息することを第一に願って行動するべきだと思います。
今僕たちが生きているこの物語の12話がいつ放送されるのか、今はまだハッキリと分かりません。ですが、10話の放送の13ヶ月後に11,12話が公開されたメルヘン・メドヘンっていうアニメもあるじゃないですか。そういうことです(?)
・さいごに
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
書きたいこと(コロナの話)の前置きにずっと書きたかったこと(文脈の話)をくっつけたら長くなってしまいました(照)
リモートワークやオンライン授業などで家に引き籠ることも多くなると思いますが、日に当たるのはマジで大事です。日に当たらないとこれになっちゃいます。→https://note.com/chiruda_16/n/n06c829ee6a95
朝でも昼でもいいので日が出てる時間に玄関先でラジオ体操とかやったら健康そうですよね。
あと外出自粛で暇な人はVTuberを見るといいですよ。僕のおすすめはホロライブです。
そんなこんなで僕は明日から社会人になりますが、またたまにnote書いたりできたらいいなと思ってます。
それではまた。