見出し画像

30メートル先にいる 探鳥会レポート<B湖編>4/5話 2024年5月

 先日、みやま会の探鳥会に参加してきました。
 場所はB湖です。

 今回はゲストとして日本野鳥の会 参事 安西 英明さんをお招きしての探鳥会でした。

 事務局のKさんがヤドリギを持ってきました。
 せっかくなので、びしょ濡れのヤドリギを見ました。

 安西さんは
 「レンジャクが有名ですがヒヨドリも食べます」
 「鳥が食べるとベタベタのフンが出て、それが木について増える」

 「鳥のおなかを通った方が発芽率が良くなる」
 「種の周りに発芽を阻害する物質が付いているので、鳥のおなかでそれが取れて、発芽率がよくなる」

 枯れた木に平べったいキノコがたくさん生えていました。
 「カイガラタケ」

 「木を腐らせるのは菌類しかいない」
 「菌類は持続可能性の要です」

 「キノコについて話をしていると必ず聞かれるのが『食べられますか』」
 「『これも食べられます』『あれも食べられます』『後は知りませんけど』と答える」

 「アオゲラが穴を開けると、そこから菌類が入って、木が枯れる」
 「小動物が巣を作る」

 そこに役員さんがやってきて
 「キセキレイ!」
 探鳥会ご一行は急いでそちらを見てみたのですが、飛び去った後でした。

 安西さんは話し続けました。
 「松は菌類と共生しています」

 「松と菌類を研究している人がいます、どうしてだか分かりますか」
 参加者のひとりが
 「マツタケ?」
 「そうです、マツタケになる」

 「ウグイスは歌いながら呼吸をします」
 「ホーーー、吐いて、吸って」

 「低温になると虫はじっとしています」
 「これは鳥対策」

 「キビタキがいますね」
 ピッピロピーと聞こえてきました。
 「元気のキビタキ、癒やしのオオルリ」

 キビタキとオオルリの声はよく似ているんだそうです。
 鳴き声の聞き分けは
 「弾むリズムで元気が出るキビタキ、流れるリズムで癒やしのオオルリ」

 私にはほとんど聞こえなくて残念なのですが
 「左からはアオジで、右はキビタキ」
 「ウグイスの声の向こうにコルリが歌っています」

 コルリの歌は、チッチッチ、ピーチチチチという感じらしい。

 「ジュウイチはコルリに托卵します」
 「たまごが青いんですね」
 「コルリは地面に巣を作ります」
 地面に作るので托卵しやすいと言っていたように思います。

クガイソウ

 ここでこどもの参加者が虫を見つけました。
 安西さんは虫眼鏡を取り出し「ガの仲間」と言いました。

 リュックを下ろすと、中から虫眼鏡やら虫を採集するためのケースやらいろいろ出てきました。

 「好きなものを持って下さい、みんなで虫を見つけましょう」
 「どんな虫も鳥対策を持っています」
 「それを観察して欲しい」

 言われた参加者は虫取り網やらケースやらを持ちました。

 ホーホケキョと鳴いていたウグイスが、にんげんの気配にケキョケキョと鳴き声を警戒に変えました。

 安西さんは
 「あれはメスに警告をしています」
 「あれを聞くとメスは伏せます」
 そう言いながらメスが伏せる様子を実演しました。

 「ウグイスは一夫多妻と言われていますが、オスとメスはほぼ同数です」

 安西さんの耳にはアオジの鳴き声がたくさん聞こえていたようで
 「これだけいると、カッコウの狙い(托卵)はアオジですね」

 少し進んだ先で安西さんがまたスコープを構えました。
 目の前の木のてっぺんに鳥が!?と思って見てみたらヒヨドリでした。

ヒヨドリ

 私は思わず言ってしまいました。
 「オオルリじゃない・・・」
 安西さんが
 「オオルリみたいに止まっているヒヨドリ」
 と言いました。

 「今、ヒガラが鳴きました」
 「ヒガラはツピッ、ツピッ。シジュウカラはツピーツピーと早くて長い」
 「ヤマガラは北島三郎風」

 参加者がきょとんとしていると「ヘイヘイホー」の節で
 「ニーニーニー」
 ちょっとこぶしが入っている風に歌ってくれました。

 キョッ キョッ

 安西さんが
 「アオゲラか、アカゲラか」
 そばにいた役員が
 「この辺にはアカゲラがいます」

 ちょうど歩いている道路が少し高さのある場所で、森を少し高いところから見渡す感じでした。

 「アカゲラがいると思う、探してみましょうか」
 安西さんは足を止め
 「30メートル奥あたりにいる」

 私はぜんぜん分かりませんでしたが
 「あ、飛んじゃった」
 というセリフにビックリしました。

30メートル先にアカゲラが
(わからん)

 列の後ろの方がザワザワしました。
 「カッコウ!」

 スコープ隊のOさんが素早くスコープを設置しカッコウを入れてくれました。
 ちゃっかり列に並ぶ私。

 スコープの中のカッコウはこちらに背中を向けていて、おしりを前後に振っていました。

 参加者が
 「カッコウがおしり向けていました」
 と言うと、安西さんは
 「おしりを振っているのかカッコウらしいと思った」

 安西さん、カッコウのまねをしておしりを振りつつ
 「『おしっこもれちゃう~』」

 それがあまりにも似ていたので、私にはカッコウの尻振りが『おしっこもれちゃう』にしか見えなくなりました。
 なんてこった、でした。

5につづく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?