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キン肉マン・リーダーシップ論 ~ビッグボディ編~

キン肉マン・リーダーシップ論、2人目にとりあげるのは、キン肉マンビッグボディです。

ビッグボディチームのメンバーはご覧のとおり。
【先鋒】ペンチマン
【次鋒】レオパルドン
【中堅】ゴーレムマン
【副将】キャノンボーラ―
【大将】キン肉マンビッグボディ

ストロングマンに強力の神が力を貸したのが、キン肉マンビッグボディです。会津若松城での1回戦、フェニックスチームとの対戦しています。どのような戦いだったか、丁寧に振り返ってみましょう。

対戦相手のフェニックスチーム、先鋒はマンモスマンです。
ビッグボディチームはというと、
【先鋒】ペンチマン、パワフルノーズブリーカーで敗北。
【次鋒】レオパルドン、ノーズフェンシングで敗北。
【中堅】ゴーレムマン、ゴーストキャンバスで敗北。
【副将】キャノンボーラ―、ラリアートにより両者ノックダウンで引き分け。
【大将】ビッグボディに対して、フェニックスチームは次鋒としてフェニックス自身が登場。フェニックスがキン肉王家に伝わる三大奥義のひとつ、マッスル・リベンジャーを披露し、決着。
これがビッグボディチームの戦いの軌跡です。

マンモスマンは言うまでもなく今大会トップクラスの実力の持ち主ですが、それにしてもビッグボディチームの4人はあまりに弱すぎました。次鋒レオパルドンにいたってはほんの数コマ(注:数ページではありません。)でやられています。副将キャノンボーラ―が唯一引き分けに持ち込んでいますが、この時のマンモスマンのダウンはフェニックスに出番を回すための演技だったので、実質的にはマンモスマンの4人抜き。しかも、キン肉マンチーム対マリポーサチームの動向を見ながら試合時間をコントロールするという余裕も見せています。このメンバーではどのチームと対戦していても勝ち目はないでしょう。

ではなぜ、ビッグボディはこの4人を選んだのか。
この4人しか選べなかったという見方が正しいかもしれません。

フェニックスとの試合の最中、「強力の神にそそのかされて・・・」との発言が出たことからもわかるように、ビッグボディに決定的に足りなかったものは、戦いに挑む覚悟です。もちろん言葉通り「そそのかされて」参戦したというわけではないとは思いますが、土壇場でこの発言が出てしまうこと自体、他の運命の王子たちとの覚悟の差が現れてしまっています。

「キン肉星の王位」というのは、単に一国の王をというだけではありません。これからの超人界を背負って立つべき存在です。そんな戦いを前にしては、あまりに頼りないビッグボディ。十分なメンバーを集められなかったのも無理からぬことです。おまけに、先に紹介したマリポーサのように、メンバーたちの特長を活かした戦い方を考えたり策を施したりすることもできず、ただただ集まった超人を順にリングに送り出していっただけなのでした。核のない組織がいかに脆いかを象徴的に物語っています。


このようにビッグボディはいいところなし。どうしようもない超人に思えてしまいます。そこで、フォローするわけではないのですが、こんな話も加えておきます。

読者による人気投票「超人総選挙2013」で、ビッグボディは270票を獲得し、27位でした。これはフェニックス、ゼブラ、マリポーサよりも上位で、票数にすれば100票以上も多く獲得しているのです。
そのわけは、まだ強力の神にそそのかされる前、ストロングマン時代にあったと思われます。ストロングマンはとても心優しい力持ちの超人で、とある星の開拓地では人々から頼られる存在でした。完膚なきまでに打ちのめされたビッグボディですが、その戦いぶりには、人の良さがどこか滲み出ていたのかもしれません。

リーダーが「人々に影響を与える役割」を表す言葉だとすれば、リーダーシップとは「人々に与える影響力」のことを言います。同じ役割のリーダーでも、リーダーシップスタイルは人それぞれに合うものを見つければいいのです。ビッグボディは運命の5王子として急にリーダーに担ぎ上げられてしまいました。頼られる存在ではありましたが、その開拓地でもリーダーという役割は経験していなかったため、まだ自分の持ち味を活かしたリーダーシップスタイルを確立できていなかったのです。

ビッグボディにとって王位継承サバイバル・マッチでの失敗は、きっと力強く成長するための試練だったのだろうと思います。この経験をいかして、開拓地のリーダーとしてよりよい星づくりに挑戦してみるのも悪くないのではないかと思います。

こんなところでビッグボディ編はおしまいにしたいと思います。
なお、余談ではありますが、マンモスマンに瞬殺された次鋒レオパルドンは、超人総選挙2013で16位です。得票数÷登場コマ数ならぶっちぎりの1位でしょう。

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こちらもマリポーサに続いて、ビッグボディもオメガ・ケンタウリの六鎗客の一人、ギヤマスターに対してメイプルリーフクラッチで勝利を収めます。その技の最中に当時のチームメイトの名前を呼ぶあたり、ビッグボディの優しさが溢れています。

次回は、マッスル・インフェルノの使い手、キン肉マンゼブラです。

自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)