キン肉マン・リーダーシップ論 ~ソルジャー編 前編~
キン肉マン・リーダーシップ論、4人目はキン肉マンソルジャーです。どうしても長くなってしまうので、2回にわけてお届けします。
メンバー紹介の前に、実は(今さら言うまでもありませんが)このキン肉マンソルジャー、運命の5王子とは違う人物です。本物のソルジャーチームは王位争奪サバイバル・マッチが始まる前に雪山でトレーニングをしていた際に、何者かにやられてしまったのです。その犯人が、キン肉マンソルジャーとして参戦したのです。その正体とは!?その目的とは!?これはまた後ほど触れることにしましょう。(隠さなくても知っている…)
さて、「組織は戦略に従う」という言葉がありますが、ソルジャーのメンバー選考は、まさにそれでした。端的に表れているのが「これから始まる戦争の性質に合わせて兵隊を決めている」というソルジャーの言葉です。今の世の中は人が流動的に動く傾向が強まっているように思われますが、プロジェクトに合わせて必要な人材を集めるプロジェクト型組織はますます増えていくのではないでしょうか。ソルジャーは、王位争奪サバイバル・マッチという大舞台で、王位継承ではない真の目的を達成するため、プロジェクトに見合うメンバーを集めることに成功し、またそれを実にうまく機能させたのです。
では、ソルジャーチームのメンバーを見てみましょう。
【先鋒】ザ・ニンジャ
【次鋒】アシュラマン
【中堅】バッファローマン
【副将】ブロッケンJr.
【大将】キン肉マンソルジャー
いかがでしょうか。あまり詳しくない方でもいくつか知った名前があるのではないでしょうか。ブロッケンJr.といえば、超人オリンピック・ザ・ビッグファイトに出場して以来、正義超人軍の一員としてすべての戦いに参加しているアイドル超人のひとり。バッファローマンは7人の悪魔超人のリーダーとして、圧倒的な1000万パワーでキン肉マンを苦しめ、その後、キン肉マンとの友情により正義超人軍入りを果たしています。アシュラマンとザ・ニンジャは悪魔将軍直属の悪魔六騎士、悪魔超人界を代表する超人たちです。このように正義超人・悪魔超人の枠を越えたチーム、それがソルジャーチーム、別名「超人血盟軍」なのです。
正義超人、悪魔超人の中でも、一癖も二癖もあるメンバーが揃いました。彼らを惹き付けたのはソルジャーの判断力と行動力、格闘能力、そして新たな超人界の理想です。ソルジャーは友だちごっこの集団ではない、誇りの集団こそが真の力を引き出させると信じ、それを体現しようとしたのです。事実、メンバーたちの力が大きく引き出される戦いとなりました。
もっともいい例はブロッケンJr.でしょう。未完の大器と言われ、実力を期待されながらも結果を出すことができずにいたブロッケンJr.でしたが、超人血盟軍でのファイトは目を見張るものがありました。ソルジャーに「いかなる困難・障害があろうともおのれの仕事は絶対に遂行する責任感」をかわれて引き抜かれたブロッケンJr.は、まさにその通り、みずからに課した仕事を遂行して散っていきました。本人も「最高に充実している」というほどの戦いを演じ、あきらかにこれまでのブロッケンJr.とは一線を画す戦いぶりでした。他の超人たちにしても同じです。キン肉マンを中心とする正義超人たちとの闘いの中でいつの間にか薄れてしまっていた本来の持ち味を目いっぱい発揮していました。そしてまた、その姿が仲間にさらに大きな力を与えたのです。
ブロッケンJr.以外のメンバーの活躍も書きたいところですが我慢して、前編はここらあたりで切り上げます。
次回は後編をお送りします!
自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)