見出し画像

好きの表明のススメ

新しい車は実に快適です。走行や安全に関する性能は10年前とは比べ物にならないくらい進んでいます。ディスプレイまわりもスマホとの連動がBluetoothやUSB接続であっという間にできてしまいます。

1ヶ月ほど代車をつかっていたため、しばらく車内で音楽を聴くことはなかったのですが、納車後は自動的にスマホに入っている曲をかけています。流れる曲はラブライブ!です。自然と調子が出てきます。

ラブライブ!はあまりに有名な作品なのでここでは詳しい説明を省きますが、アニメがスタートし人気が爆発し始めた2013年頃、私はまったく興味を持ちませんでした。アイドルという設定や絵柄など、私にはまる要素が感じられなかったからです。

そんな私がラブライブ!にハマったのは、2015年の年末差し迫る頃でした。その年の紅白歌合戦にはラブライブ!からμ’s(ミューズ)の出演が決まっており、年明けからはNHK Eテレでテレビシリーズの再放送がスタートするという状況でした。それを知ったのは、私の好きなマンガ家の一人、島本和彦さんのツイッターです。
島本和彦さんと言えば、炎の転校生や逆境ナインで一世を風靡し、現在はアオイホノオを連載中で、熱血ギャグを得意とするのですが、テレビで、ラジオで、イベントで、SNSで、まさにその作風通りのパフォーマンスを披露するくらい、人格がそのまま作風に反映されるタイプでもあります。さらに、同人誌を描いてはコミケで売るという、一風変わったマンガ家です。

その島本和彦さんがハマったアニメの一つがラブライブ!で、この冬のコミケでもラブライブ!の同人誌、シマライブ!を描いていました。いつ頃からか、島本和彦さんがラブライブ!を推していることは知っていたのですが、シマライブ!の告知がツイッターで流れたとき、ふと気になてしまい、ネット通販もあるということで試しに買ってみることにしたのでした。

そこからです。
シマライブ!が面白く、また紅白歌合戦でのμ’sのパフォーマンスにも惹かれ、再放送を何話か見たところで完全にハマりました。待っていれば毎週の再放送で観ることができるのですが、待ちきれずにDVDを借りて第1期、第2期、そして劇場版まで一気に観てしまいました。
アニメやファイナルライブのBlu-ray、CDなどもいくつか買い、何度となく繰り返し観ては同じところで涙し、また新たな発見をしていくのでした。


こうしてラブライブ!は島本和彦さんが好きなものを発信したことによって興味を持ち、ハマっていったのですが、私が島本和彦作品を好きになったのは、大学生の頃でした。
私がキン肉マンが好きだということを公言し、それを聞いたキン肉マン好きの先輩にいろいろとお世話になっていました。私の好きなマンガの傾向をよく把握したその先輩が、ある時、「吼えろペン」というマンガが面白いと薦めてくれました。この吼えろペンの作者こそ、島本和彦その人だったのです。吼えろペンはマンガ家マンガです。「まんが道」のような自伝的なマンガ家マンガではなく、マンガ家が主人公の熱血ギャグマンガです。もちろんフィクションなのですが、実体験をもとに面白おかしく創作したエピソードもあり、「燃えろペン」「吼えろペン」「新吼えろペン」と続く、燃えるような名言連発の快作でした。
すっかり虜になってしまった私は、その後何年かかけて、それらのシリーズはもちろんのこと、「炎の転校生」「炎のニンジャマン」「逆境ナイン」「無謀キャプテン」「アスカ@未来系」「ヒーローカンパニー」「アオイホノオ」など、島本和彦作品を買い集めてはどっぷり島本ワールドにハマっていったのです。

キン肉マンが好きだと言ったところから吼えろペンにつながり、そこから島本和彦作品全般へと好きが広がりました。そして島本和彦本人が発信したラブライブ!好きをキャッチし、ラブライブ!まで私の好きがつながっていきました。

自分の好きを発信したり、誰かが好きを発信したりすることは、自分の好きを広げたり、誰かの好きを広げたりするのです。SNSが浸透した今の世の中は誰もが好きを発信しやすい時代とも言えます。
人の目が気になって自分の好きの表明にとまどうこともあるでしょう。でも、その好きの表明が、誰かの好きのきっかけになるのかもしれないと思えば、それは素敵なことではないかと、そう思うようになりました。


【私の無料マガジンはこちらからご覧ください】


いいなと思ったら応援しよう!

石原英明 ―チリチリウォーズマン―
自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)