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キン肉マン・リーダーシップ論 ~ゼブラ編~

キン肉マン・リーダーシップ論、3人目はキン肉マンゼブラです。さっそくメンバー紹介。
【先鋒】ザ・マンリキ
【次鋒】モーターマン
【中堅】バイクマン
【副将】パルテノン
【大将】キン肉マンゼブラ

パワフルマンが技巧の神に力を借りたのがキン肉マンゼブラです。ゼブラチームに集まった4人は、実はゼブラが30億超人ドルで雇った超人たちなのです。ここが最大の特徴です。

注目すべきは、次鋒モーターマン。大会最短時間記録となる37秒でラーメンマンにKOされています。あまりに弱い。ゼブラによるとバイクマンの充電機としてメンバーに入れたとのことですが、おそらくそれは真実ではありません。バイクマンは確かに強いですが、超人2人分の実力があるかといえば疑問です。あきらかに、モーターマンではなく、別の強豪超人を雇った方がいいはずなのです。でも、それができなかった。30億超人ドルを払っても、雇える人材が限られていたのでしょう。金で解決できる問題ではなかったのです。

思い返せば、先鋒のザ・マンリキも素人超人にもどってしまったウォーズマン相手に敗れ、ゼブラから絶対の信頼を置かれていたバイクマンも、不意打ちとは言え会場入りの際にあっさりラーメンマンにすり替わられるという失態を犯しています。実は頼りないメンバーしか集まっていないのです。さすがに焦ったゼブラは、副将パルテノンとロビンマスクの試合に入る前に、タッグマッチを提案しますが、やはり友情パワーにはかないませんでした。

ゼブラのお金に対する執着心は、悲しい過去にありました。超人協会に裏口入会するため、愛馬キッド(シマウマ)とともに90億超人ドルを稼ぎましたが、10億超人ドル足りません。そこへ一つの提案が。愛馬キッドの毛皮を差し出せば足りない分は目をつむると言われ、三大奥義のひとつマッスル・インフェルノで愛馬キッドを殺めたのです。その一件以来、お金以外を信用することができなくなってしまいました

そんなゼブラですが、チームのメンバーには30億超人ドルの他に、結束の証としてゼブラメダルを渡しています。ここには、お金以外信用できないゼブラが、実はお金をも信用しきれていない深層心理が現れているように見えます。
ゼブラは途中、ロビンマスクとラーメンマンを50億超人ドルでチームに勧誘していますが、あっさり断られてしまいます。2人はもっと大切なものを手にしているといいます。それは、友情ダコです。正義超人たちは力比べのとき、健闘を称えあうとき、仲間を助けるときなど、多くの場面で握手をします。それを友情の握手(シェークハンド)というのですが、そのたびに掌に刻まれる友情の証が友情ダコです。

マッスル・インフェルノにかかったキン肉マンですが、愛馬キッドがのり移り、ロデオ・ステップで脱出します。キッドはマッスル・インフェルノから逃れることができたにもかかわらず、あえて抵抗しなかったのです。それはキッドのゼブラに対する友情だったのです。ゼブラはようやくそのことに気づかされますが、時すでに遅し。もうキッドはかえってこないのです。

このように、ゼブラはリーダーシップをお金や地位、物(メダル)に代替させようとしました。ある程度まではそれでも十分に戦うことができるかもしれませんが、人生を懸けた舞台では心許なかったようにも思います。「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉がありますが、人の持つ信用力に比べると、お金の信用力の弱さが際立った、そんな試合でした。

リーダーシップのマニュアル化とも言い換えられるようなリーダーシップスタイルとも言えます。つまり誰でも最低限のリーダーシップを発揮できるように仕組み化しているということです。厳密に言うとリーダーシップとは似て非なるものなのかもしれませんが、権威・権力をもって人に影響を与えるこのスタイルは汎用性が高いものですので、様々な場面で有効に活用されています。ただし、それだけに頼るのではなく、やはり人の持つ信用力を高めていくことも必要であると、ゼブラが教訓を残していきました。

ということで、ゼブラ編も少し長くなってしまいましたが、このあたりで。

さて、次回は、キン肉マンソルジャーです。

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石原英明 ―チリチリウォーズマン―
自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)