無拍子(15)

【15 そうです[ソコハトテモ奇麗ナノデス]】

街のはずれに住むというセバ教授のもとへと風船は向かって飛んでいた。

はだしのペンギンのイースカーは相変わらずニタニタしている

ニタニタしながらも華麗に風船をさばいている。

「イースカー。どうしたの?」

僕に何かを聞いてください見たいな顔だったので、聞いてみたんだけど

「なにがよう?」とか言うだけで、何かをはぐらかしているよう

それでまた口元をニタニタしているんだった。

[ハチの308]のニイクラたちの所から5分の2時間くらいたった頃、僕らの目の前に広大な草原が広がり、その向こう側には海が広がっていた

草原と海の間に、きらきらと光り輝く崖があった

その崖の上には廃屋のような建物があり、イースカーはそれを見るなり

「あれだよう」と、ニタニタニタ

「なんかさ、イースカーは気づいていないかもしれないけれど、ここに向かいだしてからニヤニヤが止まってないみたいなんだけど」

聞くなりニタニタニタニタ

「もう少ししたらわかるよう」

風船は崖のそばまで来るとその高度をグングン下げだした。

そしてぼろぼろの建物の前にフワリと着地した。

風船から降りると、ギラギラしてへらへらしている太陽と海から飛んでくる風どものせいで目が焼かれてね。

建物へと歩を進めようとしたとき

「おいお前聞いてくれよう、あそこに小さく見える対岸の大陸がみえるかよう?」とイースカーが海を指さし聞いてきた。

イルカの雛は

「ふうむ」と、目を凝らしているようす

僕もそれにならって

「ううん」とイースカーの指し示す方向を見ていた。

するとさ、本当にね

ダダダダダダダダダダダって音を立てて

海の端っこにいた対岸の大陸がこちらに向かってやってきた。

とうとう手の届くところまで大陸はやってくると、セリ立っている部分をガガっと持ち上げてね。

『ふふふふふふふf、イースカーa、ひさしぶりだねe、セバはねe、明日とo、昨日のo、今日はa、お出かけe、だってさa。だからa、ダウリンにi、入ってしまったらa、帰してe、もらえないよu、っふふふふふうふu』

さすがにびっくりしている様子の僕を見て、イースカーは何事もなかったようにやれやれと一言添えて

「ひさしぶりだね、ボンゴレ。ご機嫌はどうだいよう、それでセバ教授はどこに行ったんだよう」

大陸はセリ立っている部分を再びガガっと持ち上げると又あのすごく厚みのあるイントネーションの少し変わった声で

『ふふふふふふふf、イースカーa、セバはねe、ボンゴレ大陸のo、[ふぁそらしど]に行くとo、言っていたよo。そうu、君のふるさとだったねe、客用のティソーサーをwo、買いに行くってさa、っふふふふふうふu』

イースカーは申し訳なさそうに(多分演技のはずだ)

「それなら申し訳ないんだど…」言いかけた時

『ふふふふふふふf、良いよo、いいよo、っふふふふふうふu』

わかめの様だけど大きさが道路のようなベロを僕らの立つ大地のとこまで伸ばしてきた。

イースカーはポーンとそのもやもやしてぬるぬるのベロの上に飛び乗った

飛び乗るとクルリと向いて

「はやくきなよう」って、うながした。

僕らはそれに従って、もやもやしてぬるぬるのベロの上に飛び乗る

ボンゴレ大陸はそのベロのようなモヨモヨを自分の頭の大地にまで動かすと

『ふふふふふふふf、ここで良いかいi、ここでいいよねe、っふふふふふうふu』

ベロを出したまま僕らに聞いた

わかめの様だけど大きさが道路のようなベロを飛び降りた僕らは

「ありがとう」とか「すごいですね」やら「カッコイイよう」

だとかのお礼をしていると、ボンゴレ大陸は照れくさそうにして、黙ってしまった。

「おいお前、ボンゴレ大陸は褒めると引っ込んじゃうんだよう」

なぜだかイースカーは誇らしげに言っていた。

ボンゴレ大陸を見渡すと、そこは物凄く奇麗なニイクラたちの墓場だったんだ。





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英(はな)
ひとまずストックがなくなりましたので これにて少しお休みいたします。 また書き貯まったら帰ってきます。 ぜひ他の物語も読んでもらえると嬉しいです。 よろしくお願いいたします。 わんわん