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しくじり先生。~営業歴9年、MVP受賞経験があっても、転職したら1人じゃ何もできなかった、けど~

転職して1年。
30歳過ぎて、人材業界での営業経験しかない私が「人生初めての転職」という(個人的に)大きな変化を選択をした日から1年が立ちました。
営業を丸9年やってきて、個人はもちろん、チームでのMVP等、実績もそれなりに上げてきたつもりだったので「ある程度は、自分の力で戦えるのでは……!」と思ってましたが……。
会社が変われば、サービスも、仲間も、環境も、全てが変わる。コロナ禍でリモートワークになり、営業スタイルも変化しました。「今までの営業経験、何も活かせないのかな、ムダだったのかな」と思って泣いた日もありました。

◆このnoteをだれに届けたいか。
・自分の市場価値が気になるけど転職するのに不安がある人
・1社目の経験が5年以上あって、人生で初めて転職をしようとしている人
・チャレンジしたけど、今まさにつまずいている人

そんな方の「おっしゃ、もう一歩」と前進するきっかけになればいいな、と思っています。
また、気にかけてくださる私のクライアントの方がいれば……「笠原こんなこと考えているのね~」と、私がどんな思いでマーケットに向かっているかを知っていただく機会になれば幸いです。

◆まずは簡単に自己紹介
経歴:社会人11年目で、求人広告の営業歴9年。主にアルバイト領域の営業とメンバーマネジメントを少々。
実績:一応、個人でのMVP×3回、チームMVP×1回の実績あり。

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※長年の夢だったチームMVPで表彰された時の図。サイコーのチームだったなあ。

転職理由:「人の人生に影響を与える人材業界の仕事。その現場で働く皆がハッピーになったら、世の中ハッピーになるんじゃないか?」と思い、外から業界に関わろうと思い転職。あとは純粋に”会社”という枠ではなく、”社会”に自分の実力がどれくらい通用するのか、を知りたかったというのがあります。
プライベート:未熟児で生まれた5歳の男の子と2人暮らし。自称「世界で一番ハッピーなシングルマザー」。
とまあ、周りに助けられて全力疾走で生きてきたわけです。

◆やりたいこと、できることのギャップ
さて、人材業界歴9年の経験を生かし、「現場で働く皆をハッピーにしよう!」と言って転職してきましたが、具体的にハッピーってどんな状態でしょうか?
私が9年、求人広告営業マンとして働いてきて思ったのはもっと皆に誇りを持って働いてほしいということ。人生において大きな選択である、就職・転職のきっかけ、出会いや成長を創る仕事、という誇りある仕事なのに、なぜか……特に現場で第一線で働く営業メンバーは日々それどころじゃありません。
顧客数の多さ、業務量の多さ、課される目標、後輩の育成……。そして、日々マーケットもお客様の要望も変わっていきます。やれることが多いだけに、働けば働くだけ、売上があがるという図式に。
特に、育休復帰後は時短勤務で「もっと働ければ売上があがるのでは……」「もっと調べれば応募効果出るかも……」という、もどかしさを感じることが多くなりました。
人材業界を仕組化して、顧客に向き合う時間と同じくらい、マーケットを俯瞰してみる時間が増えたら……もっと一人一人が誇りを持って働くけるのではないか。そんな想いと経験をもって、「人材業界を再定義するぜー」と、転職してきたのですが……。想いと経験だけでは、どうにもならない壁が立ちふさがり、転職1年目は「自分の再定義」の1年となったのです…。

◆自分を再定義
まずは簡単ですが、転職してからの12ヶ月の出来事~その時の心境を振り返ってみました。

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張り切って入社したのに、全然役にたってないかも……そんなことが頭をよぎった7月。そこからがむしゃらに走ってみたけど、空回りが続き……。9月にお休みをもらい、立ち止まって考え、過去の営業人生と今の営業人生での変化を棚卸してみました。
以前と、現在の仕事の進め方の違いをざっくり書き出します……。

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同じ「営業職」ですが、扱うサービス、仲間、組織が変われば、営業としてのスタンスの取り方やマインドを、その環境にフィットさせていかなければならない。大前提として、業界知識があること、お客様である人材業界が向き合うマーケットを理解していることは活かせる経験ですが、その経験を活かすために、働く環境の変化に気付き自分がフィットしていくことが大切なんだと今、痛感しています。

◆環境に、自分をフィットさせる。
もっと早く”自分を変える”ではなく、”環境にフィットさせる”ことに意識をおいていたら……と思います。そんな私のしくじりを元に、特に重点的に取り組んだ3つの”環境フィット術”を紹介します。

1.リアルからWEBへ。
これは転職……というよりもコロナの影響が大きいですが、商談の場がリアルからWEB実施となりました。100%リアルでお客様と向き合ってきた私には、かなり大きな壁となりました。
まず、商談の導入部分でつまずきます。
リアルの商談では、訪問先の事務所のたたずまい、受付の対応、相手の登場の仕方などなど……周辺情報で会話のネタを考え、社風や担当者のタイプなどを無意識に感じ取り商談をすすめていました。
ところがWEB商談では、いきなり顔だけ映し出されて商談スタート!という状況。リアルなら、待っていても周辺情報で場に適合できますが、WEBだと自ら適合しにいこうとしないと、担当者のタイプもわからない……。今は、商談初めに画面の背景を見て「リモートなんですか?」と会話を切り出すなど、自ら適合しにいく努力を毎回しています。
さらに、前職時代に他の営業と差別化するため、自分の提案の粗さを隠すために培ってきた元気印の声の大きさ&身振り手振りのパフォーマンスが、WEBでは大きな足かせとなりました。大きく相槌をして場を盛り上げ、サービス説明はちょっと下手でも身振り手振りを合わせてカバー……自分のことを相手に伝えることに注力し商談を創ってきましたがこのノリで、WEB商談に臨むと、とんでもないことに……。

◆WEB商談でつまづいたポイント
・会話のキャッチボールがうまくいかない
・相槌がうるさい
・口癖や抑揚の付け方の癖や目立つ
・大きな身振り手振りは、逆に説明下手が露見
・雑談でどんな空気感になったのか読みきれない

と欠点が浮き彫りになり、相手の反応を伺ってさらにビビってしまうことに…。
そこで、zoomで一人商品説明や資料投影を何度も録画して見直し、聞き取りにくい部分や理解しにくい部分は何度も改善していきました。メンバーに付き合ってもらい、ついついでかい声でリアクションとったり相槌してしまう聞き方に違和感がないかフィードバックをもらい、こちらもロープレを動画にとって自分で見直しました。

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※練習中の図。これ、見返すの死ぬほど恥ずかしいです。


当たり前ですが、回数を重ねるごとに自身もついていき、今ではWEB商談のもビビらなくなりました。今のご時世、リアルもWEBもいけますよ~と自信を持って言えるのは営業として1つの強みです。また、WEBなら場所問わずに商談設定が可能なので関東圏以外のお客様との商談も増えました。マーケットが広がったのもWEB商談を極めたことがもたらしてくれた変化の1つかもしれません。

WEB商談のポイントまとめ
・リアルでうまくいっていた方法を踏襲しない
・話し方よりも聞き方を改める
・zoomにINして録画!自分の見られ方をチェック

2.自分売り込み型から、ソリューション営業へ。
今までは、競合が多い中でどれだけ自分を選んでもらえるか、が私の勝ち筋でした。もちろん、組織レベルでは課題解決のための手段は求人広告以外にあり、ソリューション提供型の営業もたくさんいたので、あくまで私の勝ち筋です。
「競合に勝って選ばれる提案」と「お客さんの採用を成功させる提案」が、私の中では別にあり、まずは選んでもらう、選んでもらった後で採用課題を明確にし、全力で採用成功のための提案を考える。強いプロダクト×強い自分の色というシンプルな方程式で、競合がどんなに多くても、自分を選んでもらう領域では、ある程度の成果を納められたのだとも思っています。
しかし、この営業スタイルだと受注前の提案段階では、お客様の課題理解は蚊帳の外……。競合がいないマーケットではサービスを選んでもらった段階で検討がスタートするので、当たり前ですがこのサービスは課題解決ができるのか?が受注の判断基準になります。
当たり前のことそうに思いますが、9年貫き通したスタイルを変えるのはわかってても難しい……。

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まずは、前職時代とのスタイルの違いを可視化し、何が足りてないのか?ではなく、何が違うのか?を、上記の様に書き出しました。可視化したあとは自分の商談と、先輩の商談を録音し聞き比べ、課題はなにか、なぜその提案なのかを自分なりに解釈する日々でした。
未だに商談後に壁打ちしていると、お客様の課題がそもそもわかってない。課題は明確になったが、プロダクトありきの提案になっていて、顧客の課題を本質的に解決できる提案はできていないな……と悩む日もあります。ですが、最近では自社プロダクトだと課題解決に最良の方法ではないな、今じゃないなと思う時は、お客様のためにプロジェクトを動かしたり、最良と思えば別のサービスを提案したり…課題を解決することを目的に話を進められることも多くなりました。こうなると、課題解決のためにマーケットを向かざる得なくなり自然と視野も広くなりました。

営業スタイルをフィットさせるポイントまとめ
・”足りないもの探し”ではなく”違い”を探す
・プロダクトに頼らない
・自分ではなく、お客様を見つめる

3.”当事者は自分”から、”チームの当事者”へ。
前職では良くも悪くも1人でなんでもできちゃいました。数字が足りないなら自分で作ればいい。周りは営業ばかりだから、仕事のやり方もわかるし、要望もできた。売ってから納品するまでの一連の流れを自分でやれた。……とにかく自分がやる、自分でやれる。そして、仕事を奪われることも怖かったのです。
そのうちに、当事者=自分でなんでも完結できて責任が持てることというのが私の方程式になっていました。
しかし、転職してから私は、できない・理解できない業務の方が世の中には多いことを目の当たりにします。営業ではないサービスを創る側の人がいて、私が今まで触れたことないような仕事をこなしていて……そんな世界を見たときに、自分でなんでもやろうとすることが仕事の進め方の正解ではないことに気付きました。「当事者=チームの当事者」であるべきで、そのチームの中で「自分は何をすべきで、何をすればチームで勝てるのか」を考えるべきなのです。
特にゴーリストグループには、多種多様なタレントが揃っているので「チームで勝つ」が自然に成り立っています。それぞれが「ファシリテーターのうまい人」「話をまとめて進行させるのがうまい人」「細かいリスクにも気付ける人」など、自分のラベルを持っていて、お互いにそのラベルを認識し、自分に無いものがプロジェクトに必要な時はその人の力を借りてチームで勝つ方法を考えています。
(ちなみにこの記事に差し込まれているグラフィックは全てゴーリストのデザイナーに創ってもらってます!私の伝え方がどんなに陳腐でも出てくるアウトプットはハイクオリティ……!!)
私は営業においてはあらかたできるぜ〜とか思ってましたが、1番のストロングポイントはその想いや顧客やチームに対する愛であって、その愛が発揮するポジティブさや巻き込み力にあるということに改めて気付きました。(今思えば生まれてから、運と愛だけで生きてる気はします……。)
それしかないなら、それ以外は得意な人に頼ればいい。そして、自分の強みを発揮できる場所で誰よりも力を発揮すればいい。転職の様な大きい環境の変化や大胆なチャレンジの後は、まずはがむしゃらに走る……も必要と思いますが、時には立ち止まり、変化を察知し、その変化にどうやってフィットしていくか?を考え動くことで、自分のマインドやスタンスを再定義でき、当たり強み・弱みを発見することができるのだと思います。

組織の中で自分を活かす=チームを勝利に導くポイントまとめ
・仲間の得意なことを知りに行く
・自分の強みを棚卸しする
・自分にもラベルを貼って仲間にアピール

◆最後に
「同じ営業職なのにこんなにも経験が通用しないものか…」と打ちのめされた日もあった、私の人生初の転職1年目。同じようにこれから人生初転職を考えている方に向けて、より早く新しい組織にフィットし活躍するために転職前にチェックしておきたい3か条を書き留めておきます。

第1条:仕事のスタイル
営業でいえば「インバウンドかアウトバンドか」「リアルかWEBか」
第2条:社風
営業で言えば「個人目標はあるか・ないか」
第3条:商材
プロダクトの強さ、成果のわかりやすさ、競合の有無


チャレンジの先にはたくさんの挫折や失敗があると思います。そんな時は、全力で生きてれば過去は全て笑い話!と思って、今を変えるために全力で生きていきましょう!これは前職時代のリスペクトして止まない、大大大好きな仲間達と一緒に培った価値観。そう思うと、この価値観はどこに行っても通じそうです……!!
私のチャレンジもまだまだこれから。自分の再定義を追えていよいよマーケットに全力で向き合っていきます。

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