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わたしの美しい庭



概要

著者:凪良ゆう
発行日:2019年12月4日
発行元:ポプラ社

ストーリー

小学生の百音と統理はふたり暮らし。
朝になると同じマンションに住む
路有が遊びに来て、3人でご飯を食べる。
百音と統理は血がつながっていない。
その生活を“変わっている”
という人もいるけれど、
日々楽しく過ごしている。
3人が住むマンションの屋上には、
小さな神社があり、
統理が管理をしている。
地元の人からは『屋上神社』とか
『縁切りさん』と気やすく呼ばれていて、
断ち物の神様が祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、
すべて断ち切ってくれるといい、
“いろんなもの”が
心に絡んでしまったものがやってくる。

感想

世の中はちょっと違う個性を
排除する性質があると私は思う。
でもこの小説では、『そのままでいい』と
背中を押してもらったように感じました。

百音と統理は血はつながっていないけど
本物の親子よりも強い絆でつながっていて
お互いに支え合っている。
本当の親子でもいえない事でも言いあえて
しっかりと話し合えて2人で答えを出していく
そうやって支え合っていると感じました。

路有はお母さんのような存在。
百音と統理を温かく見守ってあげつつも
自分のコンプレックスと戦う毎日。
でも百音と統理に支えてもらいながら
克服し、新しい出会いで幸せを手にする。

他にも縁切りマンションに住む住人や
縁切りさんに来る人々の切りたい悪癖や気鬱を
百音と統理、路有と共に答えを探して
自ら答えを見つけ、
成長をしていくそんな小説です。

私が好きな統理の言葉は

『ぼくたちは同じだから仲良くしよう』より
『ぼくたちは違うけど認め合おう』
『それでも認められないときは
 黙って通り過ぎよう』
『無駄な殴り合って傷つけ合うよりは、
 他人同士でいた方がまだ平和』

本当にその通りだと思う。
他人と違う事を嫌がる人、
違うという事を認められない人が多くいる。

そうじゃない。
違うのは当たり前。
違いを認め、
その違いを受け止め合う事がとても大事。

そんなことを教えてくれた小説でした。



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