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続・珠城りょう、とても美しい人。
1月3日の月組公演をライブ配信で観劇して心底びっくりしました。「珠城りょう、さらに美しくなっているじゃないか」と。
前回のライブ配信でもトップ珠城りょうの美しさにたまげたのですが、
今回はさらにそれを上回る美しさで、いったい何が起きているの?とずっと考え続けています。
珠城りょうの魅力は、「わかりやすさ」だと思ってました。
恵まれた体格、低い声、スター性。そこに立っているだけで、あの人は男役でスターさんなんだなとわかる魅力。
正直、繊細な魅力や儚さで言えば、珠城体制前半で二番手を務めていた美弥るりか氏の方が格段に上であり、それはファンならば共通して持っていた認識だと思います。
でも今回の演目、特に「ピガール狂想曲」に関しては、私たちが持っていた共通認識を改める必要があると知らしめた公演ではないでしょうか。
明らかにこれまでとは違った魅力を放っていた珠城りょう。iPadの向こうにいる彼女をしげしげと観察しまくってしまいました。何が変わったんだろう?と。
舞台メイクがいつもと違う(女性役だから全体的に明るい、シャドウの色なども違う)、髪色が明るい(フィナーレではブロンドに近いリーゼントでしたね)、顔がシュッとした。(顎のあたりのラインがシャープになったと思いません?)
そして一番は、肌艶がすごく美しかったんですよね。つやつやしている。そう、それはまさに「恋している時の肌艶」だったんです。
宝塚でこんな野暮な想像をするのをどうかお許しくださいなんですが、リアルに恋人ができたのかい?まさか寿退団なのかい?そんなことを考えてしまうほど、彼女の肌艶、メイクのりは絶好調でした。
これまであまり感じることがなかった、色気や儚さ、危うさみたいなものが大爆発していましたよね。それはジャンヌ役の時だけでなく、フィナーレで男役に戻った状態でも明らかでした。
たまきちさんの作品は、映像も含めて大劇場公演はほぼ全て拝見しています。前半の彼女は「ダルタニアン」「BADDY」など男くさく、わかりやすい見た目とキャラクターでスターとしてのカラーを確立しようとしていました。
もちろん作品は劇団が決定し、それを彼女たちは演じるわけですが、ご本人も周りも、男らしい演目こそが珠城りょう率いる月組にはふさわしいと判断していたんだと思います。
それが少しずつ崩れて来たのは、「エリザベート」「宮本武蔵」あたりかなと…。もうはっきりと書いてしまいますが、組のカラーにぶっちゃけあっていなかったエリザベートと、二番手スターが退団するという超絶物議をかました宮本武蔵。
彼女はそのヘイトやファンの嘆きを一心に受けながら、舞台に立っていました。この頃の月組は番手スターの休演が続き、まさに満身創痍状態。
「もう月組は観るのがしんどい」と私自身も思っていました。
そこから一気にカラーの違う作品となった「IAFA」。個人的にはあまり好みの作品ではなく、たまきちさんもまだ回復しきっていないように感じ、とっても明るい作品なのに、ちょっとまだ辛かったです。
そこからの、退団発表。そして、今回の作品。その間にはこのご時世での長い休演期間がありました。
退団を発表したことで、何かが吹っ切れたというのもあると思います。どんなスターさんでも、退団を決めるとそれまで以上に輝きが増すと言いますか、どんどん透明な光が全身から発光してくる。
それを含めても、今回の珠城りょうの美しさは格別でした。別人のようでした。
「BADDY」の頃と見比べてみたんですが、変な力みもなく、余裕を感じられる立ち居振る舞い。のびのびと演じられる組の雰囲気のよさ。
そしてジャンヌとして本気でシャルルに恋したからこその、あの肌艶?
2番手の月城かなとさんと、とても良い関係を築いていらっしゃるのだと思います。黒燕尾でダンスバトルのように相対して踊るお二人、赤く燃え上がっているような月城氏と、それを余裕で受け止める珠城氏。
まさに円熟期なんだと改めて感じました。
ああ、次の公演が退団公演なんてね…。ようやくご本人ものびのびと舞台を務めているのに、退団というのはスターの充実と重なって来ますよね…だからこそ次の世界へ旅立っていけるのだろうけれど、ファンとしては「もっと観たい!」となってしまうのです。
そして、いつまでも宝塚から抜け出せないという。麗しい沼ですね…。
さてここからは余談です。
1回目の視聴は息子に邪魔されまくって、細かいストーリーを追えなかったから気づかなかったのですが、ちょっと描かれ方に薄い部分があったなあというのが正直なところ。
ジャンヌがシャルルに心惹かれる過程は描かれていたけれども、シャルル→ジャンヌへの描写がほぼなくって、ラストに一気にまとめた感がすごい。
これはもう時間の制約としか言いようがないですが、1シーンだけでもシャルルが男装しているジャック(ジャンヌ)になぜか惹かれてしまう…と戸惑うシーンがあれば、もっともっと大団円感があったと思うのです。
ほら、そういうシーンこそ萌えますしね。
前半のショーを、あと数分だけでも縮めて、そんなシーンが入っていたら最高だったなと。
通常なら1幕90分フルに使えるところを、前半に日本物のショーがあったことで「芝居+フィナーレ」を入れ込む必要があったから仕方がないのですが。
90分フルなら、細かい心理描写もできて、より魅力的な作品になっていたはず。
私は生まれてはじめての宝塚観劇が月組だったので、根っこはずっと月組を追いかけています。月組がスタンダートというか、いくらサイコパスな人事が繰り広げられようとも、月組のカラーが好きなんですよね…。
でも色々しんどい時期も多かったから、これからはなるべく平和に組運営をしていただきたいところ。
たまきちさんが、心安らかに退団公演を全うできますように。今から寂しい限り…。
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