自粛するだけ損だと言う話

 某コロナウィルスの影響を割とフルで受けた世代になるであろう僕だが、一応自分の身が可愛い(と言うより弟と父親に移したくない)一心で一応自粛している。

自分は自粛しておいてなんだが、おそらくこのままの状態だと、自粛している側が馬鹿をみるだけなので若い人は積極的に(というか自分の健康や周囲の人間に移さないかどうか等ある程度天秤にかけて、それで出かけていいと判断したならば)出かけていいと思われる。

そう言うことを考えていた矢先のこの記事だ。これに関していろいろな反応がコメント欄やツイッター上ではみられる。
そうだそうだと賛成する声、何を考えているんだと憤慨、嘲笑する声。

老害が後者、若い世代に前者が多いように思う。まぁ当然か。

素人考えだが、健康な人間であれば別にさっさとかかってしまった方が得だろうと思う。
後遺症を負う、社会的信頼を失う可能性はあるが、まともな人間なら余程ヤバイ行動をしているわけでもなければ恐らくそこまで弾劾してくることはない。病床がある間にかかって、治療して、免疫を獲得して、さっさと出てくれば、その後ウィルスが短期間に何度も何度も突然変異でも起こさない限り、積極的にかかりに行くようなことをしなければ大丈夫だろう。
故に医療に協力した見返りに何が帰ってくるかと言われると、自分のひとまずの健康くらいのものだ。医療が崩壊した後になってなんらかの理由で罹患した場合、寧ろ利益がない。
若い世代であればあるほど自粛しているのにもかかわらず「若い世代の協力がどうの」と説教をされるのでその点でもマイナスである。

ここで私の自粛話をすると、一年間徹底的に自粛してきたし、様々なイベントが飛んでも我慢したし、親父が仕事が飛んだ分様々な場所に申請を出して奨学金をとってきたり、学費免除をいただいたり色々やれることをし尽くしてきたと思う。

正確には一年経過してないものの、感染に気をつけて卒業式の会場にも行かず、研究だけして、卒業コンパも自粛、お世話になった先生に挨拶することも、世話になった後輩に挨拶することもなく大学を追い出されるように卒業、卒業証書は郵送で送りつけられ、、大学院に入学するも入学式はなく、入って早々1ヶ月教授と会えないため研究の方針について語る手段も、そもそも入れないのでリモートアクセスする権利も得られず、外部入学なので元からいたメンバーと仲良くなる機会も得られず、どうにか入室しても、先輩に聞きづらいのでサーバーに残されていた資料を読みあさって研究し、どうにか独学と教授との対話で研究し、仲のいい友人との飲み会も会食もお茶も持病の通院も美容院も軒並み我慢してコンビニでゴミみたいな酒だけ買って辛さを誤魔化してきた。
コロナでバイトも減った上親父も仕事がないので金を頼めない(むしろ年齢的に働いてるべき人間である俺が金を頼むと言うのがあり得ないのだが)ので、高い専門書も買えない。図書館も使えないので吟味ができない。郵送が解禁されても送料はこちら負担なので気軽には借りれない。
奨学金で金銭面はある程度解決こそしたが、前期の授業は死ぬほど不便だった。
就活も情報収集が死ぬほどやりづらいので様々な就職サイトに登録し、ESを書き、それっぽいエピソードを錬成し、とりあえず夏は業界研究をかねてインターン(企業説明会)に参加した。まぁこれは普通か。本当はもっと研究に集中したかったが結構時間を取られた。
そんな一年だった。

大学院に進学した自分の大学時代の同期は休学者が続出しているらしい。
それはそうだ。二年しかないのにほぼ一年虚無だったのだから。

親父はライブエンターテイメント関連の仕事をしていたため、真っ先に自粛し始め、仕事はほとんどなくなり、我が家の収入はゼロになった。
箱を持ってる側だったり、主賓側ではないので固定費や、返金義務のようなものがないフリーランスなのでまだマシな方ではあるが。

弟は比較的変わらずと言った感じだったが、友達に会えず、成人式もなかったのでなんとも可哀想だった。

医療従事者なりに比べればこの程度の我慢どうと言うことはないかもしれないが、機会損失は結構なものだった。

そんな風に自粛している人間がいる一方で、最初から自粛もクソもなく、とりあえず出かけてみたり、飲み歩いてみたり、なんのためにマスクをつけているかの理解も足りず正しい付け方のできない馬鹿、変な演説してみるカス、マスクもつけないで街中をウロウロしてるジジイババア、GOTOが始まったから大丈夫だとか言ってそこら中に旅行して回ってた連中等がいた。
しかも感染拡大したからと急にやめた時も、そのキャンセル料は政府が持ってくれたらしい。羨ましい限りだ。
まぁそう言う人たちのほうが感染している確率は高いが、死んでなきゃいいのだ。そう言う連中は変わらず楽しくやってそうだ。

部活動もそうそうに始まったようで、大学が閉鎖されてる中、許可証をとって入って研究に必要な作業をするためにと肩身の狭い思いをしつつ通勤ラッシュを避けるため時間をずらして通学する最中、部活に向かう?高校生中学生の団体様がワラワラとバスを占拠して下さった事もあった。
これで大会がなくなった!みたいなお涙頂戴特番をやってるのだから笑える。

飲食店に関してもそうだ。自粛したくないだの散々ごねた末に補償金を引き出し、それでも補償金が足りないだのなんだの言って営業継続みたいな?
こちとらゼロ円である。
TVは外ロケやめないし、スタジオに人呼んでみたいな形式をいまだに続けている。なんの意味があるのか良くわからないフェイスシールドをつけて。
外ならいいけど店の中ではマスクしとけよ。

まぁでもこれでもさっさと終わって報われるならよかったが。
医療キャパを超えそうだからとの事でおそらくもう一年おかわりである。

やはり自粛していた我々の方が馬鹿だったのだ。

しかも20代の若者の間で感染が広がっているから家族を守るために自粛して欲しいだのと抜かす。20代の我慢の限界はすでに超えているのに。
「大切な人たちを守るためにあなた等の行動の変化が必要です」
サイコパスか何か?
「本当はかかっても大したことにならないし、家族も近くに暮らしてないから本当は大丈夫だけど、知りもしない高齢者に移したら悪いからって自粛して下さっていた若い人たちの我慢の限界を超えてしまった。」
辺りが正しい認識だろう。
なんの報いもなく、我慢しててくれと言われて我慢できるのは何もやることがないか、むしろリモートでやることが減って楽になった高齢者だろうか。

まぁそんな高齢者の代表であるところの首脳陣が会食してるとかなかなかギャグセンスの高いことをしてくれたのでもはや我慢する必要もないだろう。
昼のワイドショーで良く首相を擁護している爺さんコメンテーターが
「リモートではわからないことがある」
「どうにもそう言う習慣から抜け出すことができない」
などと抜かしていたが、それを国民にお願いしてるのはお前らだろうがと言う話である。民間でも似たようなことが起きていることは想像に難くない。

一ヶ月だの二ヶ月だの、これを越えれば少しはマシになるだの、ワクチンが冬には摂取できるだの、みんな我慢してるだので散々我慢させて、様々な機会を損失してでも徹底的に我慢してきたのに。
そもそも感染を少しづつ広げて医療が崩壊しないようにキープしながら…という方向にシフトしたと言う話だったはずだが、それなのに病床の問題が一向に解決していないのか理解に苦しむ。
ワクチンとかどうなったんすかね?と思って調べたら春頃ですって。草。

まぁそう言うことで自粛をする必要はないだろう。別に。
看護師や医者、病院はヘソを曲げ、病床数は増えず、医療が崩壊して俺や弟のような持病持ち、もしくはなんらかの命に関わる病気を最初から持っている人、健康だけど事故で死ぬような怪我を負ってしまった人、急に心臓発作とかで倒れた人がそのまま救われずに死ぬ可能性はあるが、まぁ些末な問題だろう。所詮は他人事なのだから。

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