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兎に角

ウサギにツノはない。
そんなことはわかり切っている。
あるとすればそれはファンタジーの中だ。
とかく何でも書けばいいわけではない。
そう考えていた私がいたが、形振り構っている暇はない。
その証拠に私は明日、死ぬ。
かもしれないのである。

それは誰にしも当てはまるし、当てはまらないかもしれない。
唐突な事故。
ましてやミサイルが飛んでくるような世の中だ。
たった二、三歩の違いで人の生死が変わる。

ある占い師は必ず当たると言われていて、
その代表的な例が
「いつかあなたは死にます」
ということだ。
これに関しては占い師でなくても必ず当たる。
占いも信じればいつかは当たる。
呪いもまた、いつかは成功する。
人を呪わば穴二つともいうが、要は当人が最も意識している事柄が我が身に降りかかると言葉の通りともなるが、
別段意識していなければなんてことない些細なことなのだ。
とりわけ簡単な呪いを知っている。
その一つが「靴紐が解ける呪い」だ。
掛けるのに解けるというのがなんだかあべこべに聞こえてくるのは置いといて、
さほど害はないが、頻繁に解けるともなればあまり気分のいいものではない。
これを他人にかけてみるといい。
たちまち自分の靴紐が気になりだす。
おまじないや占い、呪いというのは、
信じること思いこむことから起こる。
基本的に人は思いこむ生き物だ。それは他の動物にはない。

「私の天職はこれだ」と言い切る人がいるが、そういう人に限ってたいして転職や別の業種を比較することはない。
また、この仕事は向いてないのかもと考える人もまた、そう判断するだけの多くを経験してはいない。
たくさん転職して多くを知ったとしても、本人がそれを天職だと認めなければ天職が見つかることもない。
根拠はないがなんとなくそう思うのがほとんどだ。
誰しもが自分の都合のいいように物事を考える。
その証拠に、私もまた根拠の無いことをさも正解かのように書いている。

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魚亭ペン太(そのうち公開)
美味しいご飯を食べます。