短編『何も気にならなくなる薬』その230
流行りのものを見ておくのは大切なことだと今更ながらに思う。
映画でも本でもいい。
その時代によって話のテーマには流行り廃りがあるのが見て取れる。
似たような設定でも、そこでどう差別化を図るのか。
また何故その話がシリーズ化したのかそれを知るいい判断材料になる。
まだまだ途中だが
「ぼっち・ざ・ろっく!」をみた。
女子高生達がバンドを組む青春物語?というとざっくりし過ぎだが、
「けいおん!」というアニメも学生時代に観て、その歌をカラオケで歌ったものだ。
「女子高生がバンドを組む」
この枠組み、テーマは同じでも内容は全く違う。
優劣ではなく、同じテーマでも色んな表現ができることの面白みがそこにはある。
映画の方も「椿三十郎」を観た。
「用心棒」とのつながりを感じさせつつ、ただ有名なだけで作品を出すのではなく、新しいことを作品ごとに取り入れているのがまた面白い。
有名になると期待をされる。
期待をされると更にいいものを作らなくてはならない。
期待というプレッシャーが人の向上心を掻き立てている。
電車の中、腰の高さ程の子供がつり革を掴もうとする。
到底届くわけもない。
そしてグズり出す。
父親が抱き上げ目標を達成する。
満面の笑みだ。
それをただ微笑ましく見ているだけでなく、それが世の中の縮図ではないかと気が付かなくてはいけない。
私達にとっての「つり革」がそこにあって、またそれは一人では到底なし得ないものであれば尚更だ。
父親が子供を抱き上げるように、私達には誰かの力が欠かせない。
子供には親という無条件の愛情がある。
しかし、大人になるとそんな存在は稀有であると気が付かされる。
誰しもがそんな存在を求めて、自分が得をしたい。損をしたくないと殻にこもってしまう。
いつまでも抱き上げてもらう側ではいけないのだ。
大人になれば少なからず知恵、体力は備わっていく。
そして大人になるにつれて役割が変わっていく。
いつまでも子供ではいられない。
美味しいご飯を食べます。