短編『何も気にならなくなる薬』その141
ステーキを食べた。
ただそれだけの話なのだが、あらゆる行動にはバックボーンがある。
とりわけ私の場合はダイエット中という個人的な理由がある。
とんかつが食べたいと思っていたのだが、なんやかんやあってステーキ300g。
結局食べてしまっているのである。
1日のkcal計算上はまぁ、ギリッギリのセーフ。
「明日から頑張る」これに尽きる。
さて今回はこの三つ。
「モーニングスター」
「戦闘不能」
「貨幣経済」
モーニングスターとは……
明けの明星。
または
先端が刺々しい棍棒のこと。
実物に対する名前の響きが軽すぎる気がするのは私だけだろうか。
貨幣経済……
お金でもって取引される経済のこと。
対象的に
手形や小切手などで取引されることを
信用経済という。
モーニングスターで殴られたような心持ちだ。いや、この表現が合っているかわからないが、きっと殴られたらそんな感じだ。
ひとたまりもない。
ゲームで言うなら一撃で戦闘不能。
取引先が蒸発した。
いわゆる持ち逃げだ。
貨幣経済における口約束というのはこういうことが起こり得るとは世間のニュースで知っていた。
まさか自分の身に降りかかるとは思わないだろう。
自分は詐欺には引っかからないと思っているほど危ないというのは、経験してから気がつく。後の祭りだ。
クラウドファンディングもそうだ。
「こういうことをしたい。けれどもその資金がない。
面白いと思った人は応援してくれ、応援してくれたらこれだけのリターンを約束する」
結局のところ約束なのだ。
契約書もなければ、唐突に仕様が変更になることだってある。
世の中にはこんなにも怪しい話が転がっているのに、なぜこうも人は騙されてしまうのだろう。
いまだにこの状況に対して、明けの明星は現れそうにない。
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美味しいご飯を食べます。