短編『何も気にならなくなる薬』その205
枝葉末節(しようまっせつ)
本筋から外れた些末なこと、
要は細かすぎることに気を止めすぎということか。
仕事でもよくあることだ。
細かいことにうるさい上司とか……
しかし私もそっち側だ。
割と細かいことを気にする。
性格は大雑把にクセに。
はたして細かいことは気にしないべきか。
それに対して正否を決めつけるのは早計だと思う。
伸びすぎた木をそのままにして、後から大掛かりに剪定をするよりも、普段からこまめに手入れをしていたほうが、些細な変化に気がつける。
それはもちろん全体を見ていればの話だ。
放っておいても大丈夫だとわかっていればそれまでだし、結果が良ければ途中のことは些細なことだ。
しかし、どうにもこの枝の先ばかりみている人がいる。
人の一挙一動足をまるでアイススケートの審査員の如く見ている。
ただ見ている分にはいいが、都度口を出されては溜まったもんじゃない。
たちまち言われる側は身動きが取れなくなる。
仕事である以上、口は出さなくてはならないが、どこまでいうべきか。
多分これは人間関係の永遠の課題だと思う。
何も言わないままだと、それこそ好き放題に生茂った面倒事があとになってやってくる。
ただ忘れてはいけないのは、
草木が育つのは自然なことであって、
それを剪定するのは人間の都合でしかない。
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