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短編『何も気にならなくなる薬』その321
最近は料理にハマっている。
というか、再び料理をする時間に恵まれている。
過去の経験が多少は生きているのだろうと思いながら、まだまだ改善の余地があることに料理の奥深さを改めて感じる。
ただ作るだけならば材料を用意してレシピ通りに作ればいい。
問題はそこではない。
人によって調理器具が違う。
食べたい量が違う。
人数や経済状況、場面によって料理に求めるものが変わってくる。
自宅で自分のために作るもの、お金を払ってもらうもの、
他人に振る舞うもの。
味付けも好みがある。
とりわけ最近はいかに安く満足できるかに重点を置いている。
要は節約だ。
物価高の影響もあり、
食べなければいい、安いものだけ食べればいい。
そういった考えに陥りがちだが、それでは食事という楽しみが薄れてしまう。
作る楽しみ、食べる楽しみ、目的を達成できた喜びこそが人の原動力になるのではないか。
買い物の仕方、保存の仕方、残っている材料で何が作れるか、他の材料で代用したらどうなるのか、この「工夫」を楽しめるようになれば立派な趣味と言えるのではないか。
結局のところ趣味とは自分の楽しめるものであるのだから、人に自慢できるものである必要はない。
生きていく上で欠かせないものを楽しめるというのはある種の幸せではなかろうか。
これはあくまで私の趣味の話。
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