ヤクザの入り口
「なんかあったら連絡しろよ」
街でのあの歳上のチンピラからの言葉がきっかけであり、始まりだった。この言葉に至るまでの経緯なんて今さら話そうなんて思わない。街の酒場で例えば話した所で「嘘か本当かわからない武勇伝」にていなされてしまう事もしばしば。そういう場にて敬遠されてるのも何となくわかる。大人しく呑むからと言っていても、「オヤジが…代行が…義理ごとが重なり…」なんて言葉を独特の口調で話していれば、何となく稼業の人間とわかり、マスターやママの顔色は少し変わっていく。自分の所属する3次団体の事務所は乗降数1万人程度の駅近の高架下のアパートの3階の一室だ。
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