あるカーデザイナーのクルマ選び017
砂浜は一度は走ってみたい所だったので、山のオフロードよりの緊張感はなく、ウキウキでした。
しかし、走行前の注意説明で、実は砂浜には何が埋まっているか分からないので、基本的には前者の轍をなぞって走るか、なるべく踏み固められた所を走るようにと。
それから、波打ち際には止まってしまわないように、なぜなら、引き波でタイヤの下の砂が持っていかれ横転につながるので。
実際、その時に一緒に行ったジムニーは1台横転してしまいました。それを目の当たりにし、ウキウキはやや緊張に。
それでも、波打ち際を走るのは気持ちよく、調子に乗って、徐々に豪快に水しぶきを上げ走行しているとたまたま押し寄せた波のせいで、思ったより高く水しぶきを上げてボンネットからルーフへの大量の海水を被ってしまいました。
焦って、陸側に戻ろうとアクセルをふかすとゴボゴボと力なく失速しエンジンストール。
ギリギリ何とか、波打ち側からは退避できたので横転は避けられましたたが、セルを回してもエンジンがかからない。
すぐに、みんなが飛んで来てくれ、ボンネットフードを開け、エアクリーナを開けたら、フィルターが水浸しに!
「あー海水吸ったかー?!」シリンダーまでいってたら万事休す。と一瞬、血の気が引きました。
しかし、エアクリーナを外し、キャブを見ると中まで水は入ってなさそう。
エアクリーナーってゴミの侵入を防ぐだけでなく、水の侵入からも守ってくれるのね。とそこで感心しててどうすんの!
キャブ周り水滴をきれいに拭き取り、エアクリーナーなしで再度エンジンをしばらくクランキングさせると、なんとか復活。
その一連の作業をA社の方々は冷静沈着に、かつ楽しそうに行い、何でもなかったように、にっこりと顔の引き攣っている私に微笑むのでした。
さすが百選錬磨というか、こういうのを含めて楽しんでいるのだろうな。と感心させられました。
そして「パンスト持ってる?」と。
あまりに唐突な質問だったため、私がきょとんとしてると、別の方が「俺、持ってるよ」
って、益々それどういうこと???
それはつまり、この状態ではエアクリーナーとフィルターはしっかり水洗いして乾燥させてから取り付けた方がいいので、今日はキャブにストッキングを履かせて帰るんだな。ということでした。
なるほど!本当に砂浜走行は侮ってはいけません。
そして、グローブボックスにはパンストは必需品です。
4th my carは、私に車の新しい楽しさをたくさん経験させてくれた車でした。
つづく