あるカーデザイナーのクルマ選び009
ミニのスポーツバージョンといえばクーパーSに代表されるブリティッシュなハンドリンカーのイメージしか持っていなかった私は、ターボというのがどうもイメージと違いました。
ポルシェなど欧州車には優れたターボ車はたくさんありますが、ミニのターボ?何でわざわざ、というのが正直な気持ちでした。
そして見かけも、これでもか、というようなオーバーフェンダーとフロントスカートでした。
ミニ好きはクロームが程よく利いたディテールが好みだと思っていたのに、一切クロームはなし。しかも、しょっちゅう壊れますよ。という車を彼は迷わず新車で買ったのでした。
そして、愛でる愛でる、本当にこれを自分で稼ぐようになったら買うと決めていたんだろうなと確信できるほど、とにかく愛でる。そんな彼の姿を見ていて、ふと、俺も外車乗ってみようかな?と思うようになりました。
T社に入社しても、不思議と最新型車を買いたいとは思いませんでした。
また、周りの連中の「これは売る時高く売れるから」という会話にも、ちょっと違和感や反発もありました。
かと言って、手のかかるアルファロメオに手を出すほどの勇気もありませんでした。やっぱり、車は何のトラブルなく走ってくれないと楽しくない、というのが私の考え方でした。
でも、人と違った経験はしたいし、かと言って、そんなに車だけにお金をかけたくない。カローラも学生時代からのお気に入りの車ではあるけど、そろそろ卒業して次にも行ってみたいし、、、と私の「あーでもない、こーでもない」は続きました。
そんな時、大学時代の友人で、ずっとワーゲンを乗り継いでる人がいました。彼の父親もアウディを乗り継いでいるらしく、彼が言うには、欧州車はちゃんと次の世代になるとの進化が実感できるんだぞ、と。
なるほど、そういうものか、と欧州車というか、ドイツ車に興味を持ったのでした。ゴルフくらいなら高年式の中古でも、それほど高くなく買える。
ちょっと女子大生の車みたいなイメージを持っていたけど、GTIというスポーツモデルもあるし、ゴルフカップというレースも盛んだし、まあ、仕立て方によっては、自分の好みに合わせられるかもしれないな。という事で、インジェクション仕様のゴルフ3ドアを探すことにしました。
つづく