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2025.01.31 ストリートスナップ

先日、「ライカモノクロームフォトコンテスト」で佳作を頂いたので、その表彰式に出席するためにLUMIX BASE TOKYOを訪ねた。場所は南青山にあって、イチョウ並木の向かい側に位置しているリッチな施設だ。内装はシンプルで、中央にはLUMIXのカメラが並べてある。コンテストの受賞作品は壁に展示されていた。

表彰式が始まる30分前に到着してしまったので、室内をふらふらしていると、中藤毅彦さんに話しかけられた。作品の事や渋谷の街について話したり、カメラの話もした。写真を始めたばかりなのにライカなんて買っちゃって……と零したら、「カメラは良いやつを買ったほうがいい!」というありがたいお言葉を頂いて、元気が出た。あとは、「個展でも開いたらどう?」と言われ、「でもプリンター持ってないんスよ」と返したら、「ライカ買えるならプリンターも買えるでしょ」という正論を浴びた。中藤さん、わかりました。いずれプリンターを買います。

それで、受賞者は賞状と景品を渡されたあと、受賞コメントを述べる時間が用意されていた。こういう場に全く馴染みが無いのに加えて、上がり症な僕は、ボソボソとよく分からないことを言うしかできなかった。気さくなほうではあると思うのだけれど、僕は喋りにめちゃくちゃ弱い。たしかアッジェと荒木経惟の『東京は、秋』の話をしたと思う。

この場で改めて僕の写真の向き合い方を補足すると、東京の繁華街の「生の空間」と、誰もいない路地の「死の空間」との連続や交差や捻り合いが街を構成していて、僕はその中に陶酔して溶け込んでいき撮影している。だから、僕のスタイルでは1点物の写真を飾ったところで効果のある面にならない。

それはあくまで点であって、点の集合体が面や立体になる。それは東京の街そのものの再現と、自分の視点で撮ったという私的な眼の複合体にもなるということ。そうすれば解釈の余地を一切残さず「写真は写真である」という立脚点を築けるだろうと信じている。とはいえ、1点物が褒められるのは嬉しいことである。


表彰式のあと、中藤さんからは「『東京は、秋』は荒木さんの写真集の中でいちばん良いよ!」と言って頂き、続いて「やっぱ良いカメラ使うと成長は早いねえ」とも。これを読んでいるみなさんに、ライカを買ったほうが写真が上手くなりますよ、と僕からも言いたい。

授賞式が終わったあとは、すぐ会場をあとにして、スナップへ。荷物を持っていたからたくさんは撮れなかったけれど。改めて、Panasonic様、ライカカメラジャパン様、中藤毅彦様、誠にありがとうございました。これからもサボらず写真を続けていきます。受賞された皆様にも感謝申し上げます。

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