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2025.02.14 ストリートスナップ
僕がごちゃごちゃしている場所を撮るときは、地面と空を写さないようにしている。地面が写ると奥行きが生まれてしまい画面から緊張感が消える。なんというか、地面は意外性が何も無くて面白くないし、同じような模様だから地面が写っていても間延びするだけである。空を写さないのもほとんど同じ理由で、空には何も無い。単色が画面の中にあるだけで写っていると無駄なスペースに感じられる。あと空は視点の逃げ場にもなるため、逃げ場の無い東京と空は相性が悪い。そして、空は何でも投影できてしまう感傷的なモチーフに選ばれがちだから被写体にはしたくない(空はピントが合わないから被写体にはなり得ないのだけれど……)。
一点透視で撮るときも、地面と空を可能な限り消している。画面を物で埋め尽くしたいから、何も無いスペースは消したい。一点透視の構図はレンズのメカニズムをそのまま反映させているので、工夫が無ければあまり写真として面白くない。道の真ん中に立って直線を撮るだけならGoogleにでもやらせればよい。僕がしている工夫は建物で空を消して、看板や塀を使って地面を消している(金村修の影響が大きい)。そうすると無数の線で画面が埋め尽くされる。自由奔放に張り巡らされた無数の線は美しくて気持ち悪い。僕はH.R.ギーガーの絵画のように、気持ち悪いのにずっと見てしまうような写真で鑑賞者を不安に陥れたいし、東京は憧れちゃいけないグロテスクな街ということも周知させたい。そんな写真がお好きならば、僕の写真はきっとあなたに合うと思います。
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