見出し画像

2025.02.17 ストリートスナップ

たまには機材の話でもしよう。僕はライカM11を使っている。スナップの手法で街の写真を撮っているから、重いカメラとかボタンがたくさん付いている高機能なカメラは使わない。動画を撮ることもないし、写真を撮れる機能があればそれでいい。だから選択肢としてライカしか残らない。

正確に言えば、ライカに拘っているのではなくてレンジファインダーに拘っている。僕はミラーレスのEVFが好きじゃない。ファインダーに目を近づけたときに映像が切り替わる感じとか、モニターを見ている感じとか……。Canon R5mkIIとNikon Z6IIIのファインダーは悪くなかったけれど、両者はゴツすぎる。

ライカにする前はHasselblad X2D 100Cが気になっていた。しかし、X2D 100Cのファインダーは切り替わるのがめちゃくちゃ遅い。体感でEVFが表示されるのに2秒くらい掛かる。三脚に据えてアッジェをやるならまだしも、スナップ向きではないと判断して見送った。

勘違いしている人がたまにいるが、レンジファインダー機でファインダーの中をじっくりと何秒も掛けて確認するのはあまりよろしくない。レンジファインダーはブライトフレームの枠内をさっと確認して間髪を入れずに撮るための機構であって、画作りをして思い通りの写真を撮りたいならEVF付きのミラーレスを使うべきだ。

そして僕の写真に対するこだわりから、M11の6000万画素はちょうどよかった。不幸にも解像度に魅了されてしまった、愚にも付かぬ下賤な科学技術の信奉者である僕は、無意味と分かりつつもちゃんとシャープであるかを確認するために等倍で見てしまう癖がある。

それには理由がある。僕は写真はディテールが最重要だと考えている。だから画面の隅々まで、あるいはピント面がしっかりとシャープに写るカメラとレンズが必要だ。だからライカのカメラとレンズであれば不満に思うことも他のメーカのそれと比べれば少なくなる。ズームレンズや中望遠以上のレンズには興味が無い。

何を撮るか決まっていれば、カメラは一つあればいいし、レンズを何本も揃えなくて済む。こっちはシャッターボタンを押すだけの存在なのだから、システムはシンプルであればあるほど良い。

つまりライカを選んだのは写真が最優先事項だからであって、カメラは二の次だ。カメラはお金を払えば手に入る物だから、カメラの話をするのはちょっと虚しくなる感じがする。撮影者はカメラのエンジニアではないのだ。

とはいえ、経験として、高いカメラを買えば余計な事を考えなくて済むから成長が早くなる、と言える。M11は高画素なのに手ぶれ補正が無い古風なカメラなので、絞って何も考えずにバシバシ撮って、下手な写真を量産しまくることで実力を身に付けさせるへんてこなカメラなのだと思う。

デジタルのM型は故障が多いからあまりおすすめはしないけれど、Map Cameraとかライカストアでは触り放題なので、ぜひお試しください。

いいなと思ったら応援しよう!