古今集巻第十一 恋歌一 520番
題しらず
よみ人しらず
こむ世にもはやなりななむ目の前につれなき人を昔とおもはむ
題しらず
よみ人しらず
これから来る次の世に早くなってほしい、目の前にいるつれないあの人をもう前世のことに思えるから
あの人があまりにつれないので、もう来世になってしまえば前世の昔のことと流してしまえるのに、という歌です。世には男女の仲、夫婦の仲という意味もありますから、「来む世」は次の恋の相手とも考えられます。
「来む世」は、動詞「く」(来る)の未然形+推量の助動詞「む」(だろう)の連体形「む」+名詞「世」です。
「なりななむ」は、動詞「なる」(別の状態になる)の連用形「なり」+完了の助動詞「ぬ」(してしまう)の未然形「な」+終助詞「なむ」(してほしい)です。
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