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古今集巻第十八 雑歌下 996番
題しらず
よみ人しらず
わすられむ時しのべとぞ浜千鳥ゆくへもしらぬあとをとどむる
忘られむ時偲べとぞ浜千鳥行く方も知らぬ跡を留むる
いつかは、あなたに忘れられてしまうだろう、なのでその時に思い出して懐かしんでほしい、浜千鳥がどこへ行くのか分からない乱れた足跡を残すような拙い文字のこの手紙を書き残しておくから
分かりにくい歌です。
「忘られむ」は、動詞「忘る」の未然形「忘ら」+受身の助動詞「る」の連用形「れ」+推量の助動詞「む」の終止形または連体形、忘れられるだろう。
「忘られむ時」を偲ぶ(忘れられてしまった過去の時のことを思い悩む)のか、「忘られむ。」「時」を偲ぶ(忘れられてしまうだろう。そうなった以降のことを思い悩む)のか、区別できません。
「跡」は、浜千鳥の足跡と、残しておく筆跡の「跡」の掛詞です。手紙や文字は、「跡」や「手」と表現します。
鳥の足跡にたとえているので、下手な文字で申し訳ないと言う謙遜があるように思います。
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