題しらず
よみ人しらず
久しくもなりにけるかな住の江のまつはくるしきものにぞありける
題知らず
詠み人知らず
ずいぶん長くなったものです、住の江の松がずっとそこに生えているように、ずっと待っているのはこんなに苦しいものなのですね
「久しくもなりにけるかな住の江の松は苦しきものにぞありける」
訪ねて来てくれない男性に向けて、待つだけの苦しさを訴えています。住の江の松は、大阪の住吉大社のある海岸の松で、「待つ」との掛詞です。浪速(なには)という波の速い風のある海岸に生える松が、待つことのつらさを表しています。
#古今集 , #恋歌五 , #住の江 , #松