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古今集 異本の歌 1117番

朱雀院女郎花合に詠みて奉りける
よみ人しらず
をみなへしなき名や立てし白露の濡衣をのみ着てわたるらむ

朱雀院で行われた女郎花合わせで詠んで奉った歌
詠み人知らず
女郎花は理由もない噂に名前を立ててしまったのか、白露の濡れ衣を着て野にたたずんでいる

女郎花が白露の降りた野に咲いている美しくもあり侘びしくもある情景を、女が誰かと恋の仲になったと濡れ衣を着せられて悲しんでいるようだと、読み解いた歌です。
「朱雀院(すざくいん)」は、宇多上皇の御所の呼び名です。今の千本通の西側の三条から四条の間辺りに広大な院の御所があったそうです。(四条七本松の交差点の日本写真印刷の敷地に「朱雀院跡」の石碑があります。)別の名前を亭子院とも言い、朱雀院女郎花合(すざくいんのをみなへしあはせ)という歌合は「亭子院女郎花合(ていじのいんのをみなへしあはせ)」とも言うそうです。

#古今集 , #異本の歌 , #朱雀院 , #女郎花合 , #白露 , #濡れ衣

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ちのみゆき
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