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古今集 異本の歌 1112番
題しらず
よみ人しらず
安積山かげさへ見ゆる山の井の浅くは人を思ふものかな
安積山(あさかやま)にある、影さえも映るきれいな山の泉は浅いけれども、浅い気持ちであなたを思うものでしょうか
「安積山(あさかやま)」と泉が「浅い」、心が「浅い」が掛詞です。
万葉集の巻16の3807番の歌を写したもののようです。采女が宴で戯れに詠んだ歌とされています。
「安積山かげさへ見ゆる山の井の浅き心をわが思はなくに」
安積山は、福島県郡山市の山です。
この歌は、古今集仮名序の「難波津に咲くやこの花冬ごもりいまは春べと咲くやこの花」の歌とあわせて「和歌の父母」と言われ、奈良時代、平安時代には、初めて知る和歌であり、習字の手習いにもよく書かれていたそうです。
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