古今集巻第二十　神あそびのうた　1074番

とりもののうた
よみ人しらず
神がきのみむろの山のさかき葉は神のみまへにしげりあひにけり

採り物の歌
詠み人しらず
神垣の三室の山の榊葉は神の御前に繁りあひにけり

採り物の歌
厳かな垣根に囲まれた三室の山の榊󠄀の葉は、神の御前に生い茂っている

「神遊びの歌」は、神事の時の歌。
「採り物」は、舞人などが手に持って神を招く物。榊、幣、杖、篠、弓、剣 、鉾、杓、葛がこの歌の後、出てきます。この歌は「榊」。
「神垣」は、神域を表す垣根。神社の垣根。
「みむろの山」は、三室、御室、または「みもろ」、三諸、御諸などと書いて、神の宿る山、神が降りてくる山。あちこちにこの名前の山があるので、この歌の山が何処なのかはわかりませんが、奈良県では、桜井市の三輪山（御諸山）、生駒市の三室山が有名です。

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