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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1052番
題しらず
よみ人しらず
まめなれどなにぞはよけく刈萱のみだれてあれどあしけくもなし
忠実(まめ)なれど何ぞは良けく、刈萱(かるかや)の乱れてあれど悪しけくもなし
恋に対して誠実であっても何か良いことがあるだろうか、刈り取った萱がばらばらなように乱れて浮気をしても悪いこともない
「刈萱(かるかや)」は、刈り取った萱(茅)で、屋根に葺いたりして役立つものです。刈り取るとばらばらに乱れますが、後々は有用だという例えです。
私は女に対して誠実でも、それだけのことで、他に何か良いことがあるわけでもない。しかしあいつは、色々な女の元に通っているが、損はしていない、返って得をしている、みたいなことなのでしょう。
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