古今集 巻第七 賀歌 364番
春宮(とうぐう)の生まれたまへりける時に、まゐりてよめる
典侍藤原よるかの朝臣
峰たかきかすがの山にいづる日はくもる時なくてらすべらなり
春宮がお生まれになった時に、参上して詠んだ歌
典侍(ないしのすけ)藤原因香朝臣
峰の高い春日の山から出る日は曇る時もなく明るく照らされることでしょう
東宮(春宮)は醍醐天皇の子の保明親王、藤原因香は藤原高藤の娘で女官(典侍)として宮廷に仕えていましたから、ご誕生の時もおそば近く参上できたのだと思います。
春日大社は藤原氏の氏神、東宮の母は藤原穏子なので、峰の高い春日の山と表現し、そこから日の御子がお生まれになったので、出づる日として、聡明で将来は天皇におなりになり国を明るくお照らしになると言うことで、曇る時なく照らす、と詠っています。保明親王は若くでお隠れになったので実際には即位されませんでした。
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