古今集巻第十三 恋歌三 664番
題しらず
よみ人しらず
山科のおとはの山のおとにだに人のしるべくわがこひめかも
この歌、ある人、近江の采女のとなむ申す
題知らず
詠み人知らず
山科の音羽の山の音というように、人が知って噂の声になるようにわたしが恋をするだろうか、そんなことはしない
この歌は、ある人は、近江の采女の歌だと言っている
山科は京都市の東部、音羽山は清水寺から山科へ越える山、または山科から滋賀へ越える逢坂の関の南の山。どちらなのかはわかりませんが、わざわざ山科と言っているので滋賀へ越える方かもしれません。ちなみに清水寺の山号は音羽山です。
「こひめかも」は、動詞「こふ(恋ふ)」の未然形「こひ」+推量の助動詞「む」の已然形「め」+反語の係助詞「か」+詠嘆の終助詞「も」で、恋するだろうか、いやしないの意味。
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