古今集 巻第五 秋歌下 284番
題しらず
よみ人しらず
たつた川もみぢば流る神なびのみむろの山に時雨ふるらし
又は、あすか川もみぢばながる
此歌不注人丸歌 他本同
題しらず
よみ人しらず
竜田川に紅葉が流れている、神さまのいらっしゃる川上の三室山では時雨が降っているのだろう
この歌に人丸の歌であるという注意書きはない、他の写本も同じ
「みむろ」は「みもろ」の間違いとも言われます。神様のいる山のことです。
「人丸の歌であるという注」について、回りくどい書き方ですが、古今集のこの写本が鎌倉時代以降のもので、その時すでに新古今集が成立していて、「あすか川もみぢばながる葛城の山の秋風吹きぞしくらし」という歌が新古今集に人麻呂(人丸)のものとして出ています。同じ歌だと考えて「竜田川」の歌も人麻呂の作だという説もあり、ここでは「違う」という注がついています。
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