古今集巻第十四 恋歌四 724番
題しらず
河原左大臣
みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑにみだれむと思ふ我ならなくに
題知らず
源融
陸奥の忍捩摺(しのぶもぢずり)の模様が乱れているように、誰のせいでわたしの心がこんなに乱れていると思いますか、わたしではなく、あなたのせいですよ
河原左大臣源融は、「みなもとのとほる、とおる」と読みます。六条河原院に住んでいたので河原の左大臣と呼ばれます。
忍捩摺(しのぶもぢずり)は、石に草木を擦り付けてそれを移して染めた布なので、乱れた模様になります。
「我ならなくに」は、「我」+「なり」の未然形「なら」+「なし」の連用形「なく」+強調の助詞「に」で、わたしではないのになぁ、ぐらいの意味。
この歌は、百人一首には下の句が「みだれそめにし我ならなくに」の形で取られています。
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