古今集巻第十四 恋歌四 697番
題しらず
つらゆき
しきしまややまとにはあらぬ唐衣ころもへずしてあふよしもがな
題知らず
紀貫之
敷島の大和のものではない唐衣は時間をかけて渡ってきたけれど、時間を経ないで逢えればなあ
「敷島の」は大和に掛かる枕詞、大和と唐という大きな対比から、それを身近な衣服へ、そして恋の心へつなげています。
上の句は「頃も」に掛かる序詞です。「ころもへず」は「頃も経ず」、何日も経たないで、の意味。「あふよし」は「逢う由」、逢う手立て、方法のこと、「もがな」は願望、逢う手立てがあればなあ、です。
唐衣を大げさに言っていますが、この頃は普段着を唐衣と呼んでいて、輸入品を着ていたわけではありません。
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