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古今集巻第二十 東歌 1087番
みちのくうた
よみ人しらず
あぶくまに霧立ちくもりあけぬとも君をばやらじ待てばすべなし
陸奥歌
詠み人知らず
阿武隈に霧立ち曇り明けぬとも君をば遣らじ待てば術無し
陸奥の歌
詠み人知らず
阿武隈川に霧が立ち曇るような夜が明けたとしても、あなたを行かせたくない、待っているのでは、どうしようもないから
「阿武隈」は、福島県から茨城県北部の太平洋側の山地。
「明けぬ」は、「明く」は夜が明けること、「ぬ」は完了の助動詞なので「夜がすっかり明けた」という意味。
男が帰ってしまう、または夫が役目で遠くへ行ってしまう、そういう状況です。女にとっては、男が一度家から出かけて行ってしまうと、待つ以外にできることが何も無い、だから、行かせたくない、そういう歌です。
東歌、陸奥歌という題は、宮中で東北の歌として伝承されているものだと思います。
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