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古今集巻第十三 恋歌三 658番
題しらず
こまち
夢路にはあしもやすめず通へどもうつつに一目見しごとはあらず
題知らず
小野小町
夢路では毎日足を休めることもなく通うけれども、実際に一目見るほど素晴らしくはない
「見しごと」は、見たような如くです。夢路は現に見し如くにあらず、夢は現実に逢うに如かず、ということです。やっぱり夢より逢う方がいいなあという、男の立場の歌です。
小町は、男性がこんな歌を送ってくれたらなあ、ということで詠んだのかもしれません。
夢というものは役に立たないもの、取り上げるほどのことではないものと考えられていましたが、この時代には小町をはじめとして和歌で取り上げる歌人が出てきて、夢を現実に対するもう一つの世界と見るようになっていきます。
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