古今集巻第十一 恋歌一 539番
題しらず
よみ人しらず
打ちわびてよばはむ声に山びこのこたへぬ山はあらじとぞ思ふ
題しらず
よみ人しらず
思い悩んで何度も呼んだ声に山びこが応えない山はないと思う
繰り返し何度も思いを告げれば、高貴なあの人もいつかは応えてくれると信じている、という歌です。「よばはむ声」の「呼ばふ」は繰り返し呼ぶという意味ですが、「よばふ」つまり言い寄る、求婚するという意味も含めているかもしれません。「山」は身分の高さを表しているようなので高貴な方に恋しているのだと思います。現実の山は山彦がありますが、高貴な方の場合は難しいでしょうけれど、だからこそ諦めずに何度も呼ぶということです。
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