古今集巻第十八 雑歌下 971番
深草の里に住み侍りて、京へまうでくとて、そこなりける人によみておくりける
なりひらの朝臣
年をへて住みこし里を出でていなばいとど深草野とやなりなむ
深草の里に住み侍りて、京へ詣で来とて、そこなりける人に詠みて送りける
業平朝臣
年を経て住みこし里を出でて去なば、いとど深草野とやなりなむ
深草の里に住んでいて、京に移り住もうと思って、そこに住んでいる人に詠んで送った歌
在原業平
長年住んできた里を出て去ってしまうと、さらに深草は深い野となるのだろうか
深草は都の南、今の京都市伏見区です。
「そこなりける人」は女性で、業平は近くに住んで通っていたようです。なにかあの役職を得て都へ戻ったものと思います。
この歌は、伊勢物語123段に出ています。
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