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古今集巻第十六 哀傷歌 848番

河原のおほいまうちぎみの身まかりての秋、かの家のほとりをまかりけるに、もみぢの色まだふかくもならざりけるを見て、よみていれたりける

近院右のおほいまうちぎみ

うちつけにさびしくもあるかもみぢばもぬしなきやどは色なかりけり

河原左大臣が亡くなった年の秋に、その家のそばを通った時に、紅葉の色がまだ深くもなっていないのを見て、詠んで家に送った歌
近院右大臣
ふとしたことで寂しく感じてしまう、紅葉の葉も主のいない家では色もないものだ

「打ち付けに寂しくもあるか紅葉(もみぢば)も主無き宿は色無かりけり」

河原左大臣(かはらのひだりのおほいまうちぎみ)は源融(みなもとのとおる)。嵯峨天皇の皇子。六条河原町にあった河原院と言う邸宅に住んでいたので、このように呼ばれます。
近院右大臣(こんゐんのみぎのおほいまうちぎみ)は源能有(みなもとのよしあり)。文徳天皇の皇子。
「うちつけに」は、「打つ」「付く」なので「たたきつける」ような意味にもなりますが、「心を穏やかにたたかれて、ああそういえばと気がついた」ぐらいの意味です。

#古今集 , #哀傷歌 , #近院右大臣 , #河原左大臣 , #紅葉

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ちのみゆき
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