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古今集巻第十 墨滅歌物名部 1101番
家々称証本之本乍書入以墨滅歌 今別書之
家々に証本と称する本に書き入れ乍ら(ながら)墨を以て歌滅ちたる(けちたる)、今別に(いまべつに)之を書く
ひぐらし
つらゆき
そま人は宮木ひくらしあしひきの山の山彦よびとよむなり
在郭公下 空蝉上
蜩(ひぐらし)
貫之
杣人は宮木引くらし、あしひきの山の山彦、呼び響む(とよむ)なり
郭公の下、空蝉の上に在り
蜩
紀貫之
山の木こりは宮殿に使う木を引いて(曳いて、ひいて)いるようだ、美しい山に山彦が鳴り響いている
「物名部(もののなのぶ)」の郭公の歌(423番)の下、空蝉(424番)よ上に在り
「蜩(ひぐらし)」と「引くらし」が掛詞になっています。
「家々に証本と…」の意味は、藤原定家が古今集の写本を比較検討した時に、家々に伝わる正しい古今集だという写本に書き入れてあるが、墨で見せ消しにしてあった歌を集めたもの。墨滅歌(すみけちうた、ぼくめつか)と呼ばれます。
「郭公の下、空蝉の上に在り」は、どこに書き入れてあったかを記録したもので、歌の内容とは直接的には関係がありません。
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