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古今集巻第十八 雑歌下 961番
隠岐国に流されて侍りける時によめる
たかむらの朝臣
思ひきや鄙のわかれにおとろへてあまのなはたきいさりせむとは
隠岐国に流されて侍りける時に詠める
篁朝臣
思ひきや鄙の別れに衰へて海人の縄たき漁りせむとは
隠岐国に流されていた時に詠んだ歌
小野篁
これまでに考えた事があるだろうか、地方の隠岐国に別れて行き心も衰えて、海人が引く縄を手繰り漁をするとは
篁は遣唐使の副使に任命されましたが、正使の藤原常嗣との揉め事で罰せられて隠岐国に流されます。その時の歌。正しい主張をしたのに流されて、心身ともに疲れ果てたということだと思います。
「縄たき」の「たき」は、「たぐる」の名詞化。縄を手繰り寄せて引くこと。
「いさり(漁り)」は、漁をすること。
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