古今集巻第十二 恋歌二 562番
寛平御時きさいの宮の歌合のうた
紀とものり
ゆふされば螢よりけにもゆれどもひかり見ねばや人のつれなき
宇多天皇の御時の皇太后班子女王の歌合わせの歌
紀友則
夕方になってわたしの心は蛍より強く燃えるけれど、ひかりは見ないのであの人はつれないままなのか
夕されば 螢より異に 燃もゆれども 光見ねばや 人のつれなき
漢字と区切りを入れるとこうなります。
「けに」は「異に」で普通とは違ってすごいという意味。
「見ねばや」は見るの未然形「み」+打ち消しの助動詞「ず」の已然形「ね」+原因を表す接続助詞「ば」+疑問を表す係り助詞「や」で、「見ないので~か?」です。
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