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古今集巻第十七 雑歌上 870番

石上の並松が宮づかへもせで、石上といふ所にこもり侍りけるを、にはかにかうぶりたまはれりければ、よろこびいひつかはすとて、よみてつかはしける
ふるのいまみち
日のひかりやぶしわかねばいそのかみふりにし里に花もさきけり

石上並松(いそのかみのなみまつ)が宮仕へもせで、石上と言ふ所に籠もり侍りけるを、俄に冠賜れりければ、喜び言ひ遣はすとて、詠みて遣はしける
布留今道
日の光、薮し分かねば石上、古りにし里に花も咲きけり

石上の並松が宮仕えもしないで、石上と言う所に籠もっていたところ、急に位階を賜ったので、その喜びの祝いを言い伝えようと思って、詠んで送った歌
布留今道
日の光は薮の様な所にも分け隔てなく照るので、石上の古い里にも花が咲きましたね

「かうぶりたまる」は従五位下に叙せられること。冠をかぶるのは五位から。石上並松が従五位下になったのは 886年一月だそうです。
石上も布留も奈良の天理のあたりのことです。

#古今集 , #雑歌上 , #布留今道 , #石上並松 , #冠賜り


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ちのみゆき
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