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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1039番
題しらず
よみ人しらず
思へどもおもはずとのみいふなればいなやおもはじ思ふかひなし
思へども、思はずとのみ言ふなれば、否や思はじ、思ふ甲斐無し
私は思っているのに、あなたは「思っていない」とだけ言うので、ああいやだ私も思いません、思う甲斐もありません
女が男に恋心を打ち明けたところ、別になんとも思ってないと、そっけない返事をして来たので、怒りが頂点に達したという歌です。私はあなたを思っているのですと打ち明けたのに、別になんとも思わないとだけ言うなんて、もうちょっと他に言い方があるでしょう、なんて冷たい人だ、腹のたつと、和歌を詠んでいる途中から怒りが増幅した気がします。
「思う」を「思へども」「思はず」「思はじ」「思ふかいなし」と違う形で4回も使っているところが誹諧歌なのでしょう。
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