古今集巻第十四 恋歌四 728番
題しらず
しもつけのをむね
くもり日の影としなれる我なれば目にこそ見えね身をばはなれず
題知らず
下野雄宗
曇りの日ではっきり見えない太陽ぐらいの姿になってしまったわたしなので、あなたの目には見えないかもしれません、でも心はあなたから離れずにいます
恋する女性に受け入れてもらえなかったのでしょう、すっかり影も薄くなったけれども、心はあなたのそばにいます、と未練を残しています。
「影」は、光そのもの、姿かたち、形で遮られた光の当たらない部分と意味は多様です。現代は光の当たらない部分の意味が多いですが、昔は光や姿の意味が多いです。この歌の場合は、曇ってはっきり見えない太陽の姿という意味で取れば良いと思います。
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