古今集巻第十七 雑歌上 898番
題しらず
よみ人しらず
とどめあへずむべもとしとはいはれけりしかもつれなくすぐる齢か
留め敢えず宜(むべ)も疾し(とし)とは言はれけり、しかも連れなく過ぐる齢(よはひ)か
留めることができず、なるほど年月は早いと言われるのはもっともだ、しかも冷たくも過ぎていく齢だ
「宜(むべ)」は、もっともだ、という意味です。「むべなるかな(なるほど、そのとおりだなあ)」などと使われます。
「疾し」「年」、早いと年を掛けています。この「年」は年月、時間の意味です。
留めることが出来ないだけでなく、冷淡に平然と過ぎて行くのが時間であり、それとともに年齢を重ね老いていく、と嘆いている歌です。
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