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古今集巻第十七 雑歌上 926番

竜門にまうでて、滝のもとにてよめる
伊勢
たちぬはぬきぬきし人もなきものをなに山姫のぬのさらすらむ

竜門に詣でて、滝の元にて詠める
伊勢
裁ち縫はぬ衣着し人も無きものをなに山姫の布晒すらむ

裁ったり縫ったりしない衣を着た人も今はいないのに、なぜ山の姫は布を川水に晒しているのだろう

竜門は、奈良の吉野の竜門山の寺のこと。そばに竜門と白倉の滝があるそうです。
「裁ち縫はぬ衣」は、切ったり縫ったりしていない仙人が着る衣。その衣を着る仙人はいないのに、なぜ山の姫はその為の布を用意しているのだろう、という歌です。山姫は、山の神です。滝の水が落ちる様子を白い布に例えています。

伊勢は、貴族や高貴な人との恋が多いのですが、そういう世事に疲れたのか、大和や吉野を旅したものと思います。

#古今集 , #雑歌上 , #伊勢 , #竜門の滝 , #山姫

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ちのみゆき
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