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古今集巻第十八 雑歌下 949番

題しらず
よみ人しらず
世の中をいとふ山べの草木とやあなうの花の色に出でにけむ

世の中を嫌って避ける山辺の草木だというのか、ああ憂いが卯の花の色に出たのだろう

「とや」は、「とやいふ」(と言うのか)の略。
「あなうの花」は、「あな憂」(ああ悲しい)、「あな、卯の花」(おお、卯の花)と掛詞になっています。
「色に出でにけむ」(いろにいでにけむ)は、色に出たのだろう、です。色に出るは、顔色に出る、表情に出る意味です。ここでは、卯の花の色に憂いが出ている、と擬人化しています。

#古今集 , #雑歌下 , #世の中 , #卯の花 , #色

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